ライフログでペットの健康を守る時代が、すぐそこに ②

ライフログでペットの健康を守る時代が、すぐそこに ②

  • 小川 篤志
  • 上野 弘道
  • 本間 梨絵
      

目次

ライフログを毎日とるのは意外と楽しい。便利なツールが増えれば、健康管理の質も高まるはず

上野先生

小川先生は猫専門のヘルスケアデバイス「Catlog」を開発されていますよね。今現在はどんなことができるんですか?

小川先生

「Catlog」では日々の行動の「寝る」「くつろぐ」「歩く」「走る」「食べる」「水を飲む」「毛づくろい」を記録できます。それだけでなく、トイレの下に置く「Catlog Board」を使えば、日々の尿量や回数、うんちなどの排せつ情報を記録でき、体重も自動で測定されます。記録する手間を省き、楽にログをとることができる、ヘルスケアデバイスとはそんな便利なアイテムです。

本間先生

私も実はCatlogを使っています。保護猫を1匹飼っているんですが、もともと心臓が悪くて、何回か呼吸困難も起こしていて心配で。でも、病気とは関係なく、今何しているんだろうと気になって、何度も見てしまいますよね(笑)。

小川先生

自分のペットが今何しているのかを覗いてひっそりと楽しむ、僕らはそれを愛情を持って「猫ストーキング」って呼んでいるんですけど、ヘルスケアデバイスはそういう猫ストーキングが捗るデバイスでもあります。楽しみながらストーキングしてもらっているのですが、たまに「アプリばかり見てしまい、仕事に集中できない!」というクレームが来たりします(笑)。

本間先生

そのオーナーさんの気持ち、とても分かります(笑)。私も常にうちの子をストーキングしていますから。

小川先生

先日ラスベガスの国際的な展示会にも出展したのですが、人用・動物用に限らずヘルスケアデバイスには世界中から注目が集まっています。その中で僕は「ヘルスケアデバイスを使った予防医療」は、動物医療の方が人間の医療よりも先に進化すると考えています。
人間の場合は「個人情報」という壁があるので、集めたデータの扱いがかなり難しいんですよね。一方で、動物は良くも悪くも個人情報という概念がまだないので、データを動物病院と共有しやすい。だからこそより、ペットの健康を守るツールとしてデバイスも発達し、世の中に浸透していくのではないでしょうか。

上野先生

確かにその可能性は大いにありますね。

本間先生

ちなみに、小川先生。先ほど上野先生が「画期的」と言っていた、「ライフログのデータを常に病院と共有し、様子がおかしいときには病院へ来てくださいと病院からアラートを出す」という仕組みは、将来的には実現されると思いますか?

小川先生

可能です。動物病院とオーナー様の両方へアラートが出る機能があれば、たとえば、アラートが出ても病院に来ないオーナー様には「大丈夫ですか?」と連絡することもできますし、実現したいですね。

オーナーと獣医師が、ヘルスケアデバイスを介してワンチームに。便利なツールを楽しく使って健康管理できる未来を作りたい

上野先生

ヘルスケアデバイスが発展・普及して、病院と連携するようになれば、獣医師とペットとオーナー様がひとつのチームとして、健康維持に貢献して病気に対応する未来が近づいてくるように感じます。うちの病院では、診察台をはさんで獣医師とオーナー様が向き合うのではなく、診察台の角をはさんで横並びに座るようにしているんです。これは、同じ問題について一緒に考えていくという気持ちの表れ。これからはそこにライフログデータも並べられますよね。

本間先生

ライフログを提出してくれるからこそ、よりチーム感が出る。この子のために何ができるだろうねという風に一層深く話し合えるようになりそうですね。

小川先生

今の健康診断は、「健康」の診断ではなく、「病気がないか」を診断しているとも言えますよね。だからこそ今後は、診断結果が「ペットとオーナー様が一緒にがんばってきた証拠」として◎をもらえる通知表になればいいと思っているんです。ペットが健康だと獣医師からオーナー様が褒められたら、健康維持に対するモチベーションが上がるはずです。健康診断が、かかりつけの獣医師に褒めてもらえる機会になれば、健康管理にもポジティブに向かい合えそうですね。

上野先生

通知表っていうアイデアはいいですよね(笑)。ライフログでペットの体重が増えたことが確認できれば、オーナーが自発的にフードの量をコントロールするなど、さまざまな形でペットの健康維持に参加できます。ヘルスケアデバイスを使えば楽に記録がとれるのでぜひ使ってみてほしいですね。

本間先生

すでにうちの病院には、ヘルスケアデバイスを使っているオーナー様がたくさんいます。以前はノートでおしっこをした時間などを記録していた方もいましたが、今はデジタルが主流。しかもどなたも「うちの子のデータ、見てください~」という感じで一生懸命という感じではなく、楽しんでログをとっているように見えます。

小川先生

難しいことは、当たり前のようにシステムがやってくれる状態がベストですよね。

上野先生

ヘルスケアデバイスのいいところはそこですね。楽しさを堪能しているだけで、勝手にデータがとれて、その結果が先制医療につながる。おまけに、ストーキングすると好きという気持ちも深くなったりしますしね。

本間先生

私も、ついつい猫ストーキングしてしまうのは、楽しいからです。ペットをかわいがっているだけで健康を守れるなんて素敵ですよね。

上野先生

これまでのお話を振り返ると、ヘルスケアデバイスによるライフログが浸透すれば、体調に異常が出たときだけ関わってきた動物病院が、ペットの健康を一緒に支えていく存在になるんじゃないでしょうか。オーナーと動物病院との関わり方が180度変わりそうですね。

小川先生

その関係性こそ理想ですよね。そのためにも私自身は、「ライフログをとることが、ペットの健康維持につながる」という成功例を、これからたくさん作っていければと思っています。ヘルスケアデバイスを使って、オーナー様とペット、そして獣医師をぎゅっとつなぐことができるよう、お二人にもお力添えいただければうれしいです。ぜひ一緒に、「楽しくライフログをとってペットの健康を守る」未来を実現させていきましょう。

さいごに……

獣医療をさらにランクアップさせる可能性を秘めたLBM(生活記録に基づいた医療)。獣医師の皆さんもその活用に大きな期待を寄せていました。ヘルスケアデバイスを使うことで開ける明るい未来は、ペットにもオーナー様にも、そして獣医師にもさらに心地よいものになっているはず。ヘルスケアデバイスのさらなる進化と発展を、これからも注意深く見ていきたいですね。

 
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