獣医師が教える! 愛犬の“かわいいの作り方”【アイケア編】

獣医師が教える! 愛犬の“かわいいの作り方”【アイケア編】

本間 梨絵
原宿犬猫クリニック
300HugQ
      

いつまでも愛犬たちにかわいくいてもらうために、ペットオーナーが知っておきたいスキンケアや注意点はどこにあるのか?愛犬の“かわいいの作り方”を、原宿犬猫クリニック院長・本間梨絵先生にご解説いただきます。

プロフィール

本間梨絵先生

青山学院大学英米文学科卒業後、一般企業での就労経験を経て、動物愛護の先進国であるオーストラリアに渡る。現地の動物看護師育成学校を卒業後、動物病院や保護施設でのボランティア活動に携わり、人と動物たちとの絆の深さに深い感銘を受ける。帰国後、日本獣医生命科学大学獣医学科にて獣医学を学ぶ。同大学卒業後、日本動物医療センターに就職。2020年、日本動物医療センターグループ・原宿犬猫クリニック院長に就任。ISFM国際猫医学会、JSFMねこ医学会所属

「かわいい」の絶対条件は、愛犬が楽しく生きていること。

本間先生

愛犬がかわいくいるための大前提は、「痛みや苦痛がなく、楽しく生きていること」。つまり、病気になる前の未病の段階で不調に気がつけることが、愛らしさを100%保つために大切だと考えます。健康寿命を延ばすという意味でも、本格的な症状へ進むその前に、私たち動物病院を積極的に利用していただきたいですね。

動物はおしゃべりができません。不調や痛みを感じていても訴えることができないのです。だからこそ、いつも身近で愛犬を見ている飼い主さんだけでなく、私たち獣医師が持つ情報や知識を合わせて、統合的な視点で不調や痛みの原因を突き止め、解消へとつなげていけるといいですね。「ちょっと心配…」「これって大丈夫かな」と思うことは気軽に尋ねてください。それが、愛犬の心とからだの健康を守り、かわいさを保つことにつながるはずです。

不調に気づくには、目の特徴を知ることから。

本間先生

目の健康を考えるとき、人間の目と犬の目の違いについて知っておくことも大切です。たとえば、犬の瞬きの回数は人間の5分の1回程度。瞬きは目に潤いや栄養を行き渡らせる働きがありますから、その回数が少ないということは、どうしても乾燥しやすくなります。
犬種によっては、涙が鼻に抜けるための鼻涙管が細かったり、つまりやすかったり、または欠損している場合もあります。またホコリや毛が目に入ると、私たち人間は痛くて涙が止まりませんが、ワンちゃんはあまり気にすることなく、違和感を感じにくいのかもしれません。そうしたトラブルが重なって生じるのが、涙やけです。当院でも、涙やけを気にされる飼い主さんはたくさんいらっしゃいます。

涙やけは、「見た目の問題」「身だしなみ」と思われがちですが、その裏には目のトラブルが潜んでいることが少なくありません。涙やけは、涙が毛に付着して汚れがたまることで、そこから菌が繁殖して色素が変色した状態ですから、そもそも涙が過剰にあふれ出てしまう原因を突き止めることが必要です。根本的な原因に対処することで、多少時間はかかっても涙やけは次第に解消され、愛犬本来の「かわいい」状態を取り戻すことができるのです。

愛情たっぷりの観察眼で、異変の察知を。

原宿犬猫クリニックで活用しているオリジナル手帳。「飼い主さんとの交換日記のようなもので、ワンちゃんの様子が時系列でわかり診療の手掛かりになるんです」と本間先生。

本間先生

犬は黒目がちなので、人間のように白目が充血していて異変に気づくということはなかなか難しいのですが、愛犬の様子を普段から観察していることで目の不調に気づけるポイントはいくつかあります。わかりやすいところでは、目ヤニの色と性状でしょうか。白くどろっとした状態や、黄緑色の目ヤニが見られたら、ウイルスや細菌に感染している可能性があります。

その他の観察ポイントとしては、たとえば前脚の甲がベタベタしている場合は、目に違和感があり、何度も目を触って、目ヤニが脚についた可能性も考えられます。また耳が汚れていると、脚で耳を掻いた際の勢いで、目を擦って傷つけてしまうということもあります。 さらには、目とつながっている臓器である鼻の不調も、目の病気を見つけるヒントになります。目以外の異変や変化が目の不調のサインになる、ということは、飼い主の皆さんにはぜひ知っておいていただきたいですね。

乾燥やアレルギーなど、人間と同じトラブルも。

本間先生

近年の気候変動や住環境の変化などが、犬の目に影響を与えていることがあります。春は、人間と同じように花粉症を患う犬もいますし、強く降り注ぐ紫外線の影響は、人間だけでなく犬も同様に受けています。日差しが強い日に散歩する場合は、帽子をかぶらせたり日陰を歩いたりする配慮はしてもよいかもしれませんね。

ドライアイのワンちゃんも、実はけっこう多いんです。冬に気温が下がり、涙の脂の層が固まって涙が出づらくなることが原因のひとつです。さらに、現代の住宅は暖房が常に効いているので、目の乾燥をさらに進行させてしまいます。人間にとって快適な環境が、必ずしも犬にとってベストとは限りません。最初にお話ししたように、犬の瞬きの回数は人間と比べて少なく、犬種によっては半目で寝ちゃうワンちゃんもいますから、冬の室内湿度については配慮してあげてください。

目が原因の可能性も。いつもと違う行動に要注意。

本間先生

普段から気に掛けておくことで気づけることも多いのですが、犬種や遺伝によってかかりやすい目の病気もいくつかあります。遺伝子疾患の場合、急速に症状が進んで失明に至ってしまうこともあります。白内障も、老齢性のものばかりではありません。若齢でも失明する可能性があるのです。

外見には異常がなくても、散歩を嫌がったり音に敏感になったり。様子が変だなと思うことがあったら、すぐに動物病院を頼ってください。視力が急速に落ちたために、そうした変化があらわれている可能性もあります。まずは検査で、原因がどこにあるのか突き止めましょう。 また、飼い主さんに点眼をお願いする場合は、そのコツもお伝えしています。ワンちゃんがお家で、「イヤだな」という気持ちを抱かないためにもぜひ、上手にさすポイント、ごまかすテクニック(笑)も知っていただきたいです。

日々のスキンシップで、良いコンディションをキープ。

本間先生

愛犬の目の健康とかわいらしさを保つためには、日頃から清潔にしておいてあげることも不可欠です。時間をかけなくても、普段からちょっと気を配ることで避けられる目のトラブルは多いと思います。

定期的なトリミングはもちろん、こまめなブラッシングも必須です。皮膚が薄い目の周りはきれいに拭いてあげるとよいでしょう。シャンプー前後には涙と同じ成分の目薬をさすなどもできるとよいですね。人肌に温めたタオルをまぶたに乗せる「温罨法(おんあんぽう)」というアイケアは、犬にも有効です。涙の分泌が促されるので、目の健康維持に役立ちます。ワンちゃんとのスキンシップも兼ねて、飼い主さんの負担にならずできることは、ぜひ取り入れてみてください。

本間梨絵先生からのメッセージ

愛犬とのコミュニケーションをしっかりとって、小さなサインを見逃さないでほしいと思います。とはいえ、飼い主さんだけではわからないことは、些細なことでも獣医師にご相談ください。そのために私たちのクリニックでは、飼い主さんが気軽に聞きやすい環境作りを心がけています。たとえば、オンライン相談を積極的に活用したり、交換日記のような形で飼い主さんと情報交換をしたり。飼い主さんとの対話を大事にして、これからも適切でスムーズな診療・処置につなげたいと思います。

原宿犬猫クリニック

総合診療科、予防診療科、猫科、皮膚科、歯科を備える。サブスク・スタイルを取り入れた予防・定期健診プログラム「ウェルネスプログラム」や、パソコンやスマートフォンを介して獣医師に相談できる「オンライン相談」など、飼い主がより安心して獣医を頼れる仕組みを提供している。24時間体制の総合動物医療施設「日本動物医療センター」とも連携。

 
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