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認定医が教える! 愛犬の“かわいいの作り方”【スキンケア編】

認定医が教える! 愛犬の“かわいいの作り方”【スキンケア編】

 
島田 健一郎
麻布十番犬猫クリニック
300HugQ
      

いつまでも愛犬たちにかわいくいてもらうために、ペットオーナーが知っておきたいスキンケアや注意点はどこにあるのか?愛犬の“かわいいの作り方”を日本獣医皮膚科学会認定医・島田健一郎先生にご解説いただきます。

プロフィール

島田健一郎先生

東京都出身。父が獣医師、祖父が養豚業を営んでいた影響で、動物を身近に感じながら幼少期を過ごす。日本獣医生命科学大学卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科大学院博士課程(皮膚科専攻)に進学し、東京農工大学の獣医内科学研究室にて研究と皮膚科臨床を学ぶ。博士課程の研究テーマが「犬アトピー性皮膚炎の皮膚バリア機能とセラミド」であったことからスキンケアを意識した獣医療を志す。日本獣医皮膚科学会認定医、獣医学博士。現在は麻布十番犬猫クリニックの院長を務め、原宿犬猫クリニックの皮膚科・内科・外科の診察診療も担当する。
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かわいさには4つの基準がある。

コーヒーカップの前で並んでいるジャックラッセルテリア4頭

島田先生

「愛犬がかわいくない」という飼い主さんはいないのではないか思います。それと同時に「いつまでもかわいくいて欲しい」と願っているのではないでしょうか。獣医師という立場から、「かわいいを守る」ために意識していただきたい基準は4つ。それは「見た目」「清潔感」「若々しさ」「愛らしさ」です。それらが満たされていると、愛犬はかわいいはずですし、何より健康であるという証にもなります。

犬のイラストとPoint

愛犬の健康美を想像してみてください。しなやかで俊敏な動き、涙やけのない目、よく眠り元気にごはんを食べる…。ワンちゃんも心地よく過ごせて、それを見守る飼い主さんも安心できて、はじめて「かわいい」と思うことができるのです。気がかりがあっては、愛犬のかわいさを楽しむ余裕がなくなってしまいます!

スキンケアの重要性は人も犬も同じ。

ブラッシングされているダックスフント
島田先生

皮膚科認定医という視点で、愛犬の「かわいいを作る」お手伝いができるとすれば、ワンちゃんの「皮膚ケア」の重要性をぜひ飼い主さんには知っていただきたいです。愛犬が病気になったり、様子がおかしくなったりしない限り、なかなか意識が届きにくいことかもしれませんが、人間と同じように、犬にとってもお肌のお手入れはとても大事なことなのです。

スキンケアで大事なのは、皮膚のバリア機能を意識した保湿を重視した生活を送ること。人間のように化粧水をつける習慣のない犬にとって、肌の乾燥は大敵。うるおいを逃さないように、室内を加湿したり、室温を一定に保つ必要があります。犬の目安として「室内の適温は冬は18~22℃、夏は22~26℃」、そして「湿度は40%から60%の間」。人間の場合、適温は25℃から28℃の間と言いますが、犬の場合は涼しめの方が適しています。

犬の皮膚は、なんと人間の約3分の1の薄さ!

足をかんでいるジャックラッセルテリア
島田先生

「犬の皮膚」という話題になると、犬は体毛に覆われているから大丈夫でしょ?と思われるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。犬の皮膚は、人間の「3分の1から4分の1ほどの厚さ」、つまり大変薄いのです。その薄さを補うために体毛があります。毛がないと犬は身体を守れなくなってしまいます。

皮膚と毛の関係性は「体毛があれば良い」というわけではありません。皮膚がダメージを受けてしまうと、毛並みがよくなくなります。なぜなら毛の生える土台が揺らいでしまうからです。皮膚と毛は互助関係にあると言って良いでしょう。ですから、「暑そうだから短めにカットしましょう」と考えてしまいそうな時も、一旦立ち止まって考えてみてください。サマーカットは涼しそうに見えますが、実は「そんなに涼しくない」ということも言われているのです。

しっかり脂汚れを落とすシャンプーを使っていませんか?

頭にシャンプーを乗せているジャックラッセルテリア
島田先生

「汚れを落とす」という観点でも、愛犬の皮膚を意識する必要があります。シャンプーをする際は洗浄剤を使いますが、よく泡立つ製品は肌の脂を落とすための界面活性剤が多く入っている場合があります。汚れを落とすためには必要な成分ですが、効力の強いものは避けて、「保湿系」「しっとり系」の製品を選んでください。製品で悩まれましたら、ぜひ獣医師にご相談ください。

シャンプーの後もご注意!「自然乾燥」という飼い主さんもいらっしゃいますが、自然乾燥は皮膚によくありません。乾燥し切る前に、毛に覆われた皮膚が蒸れることで、赤くなったり湿疹になったり、皮膚病になってしまうケースもあります。皮膚のためにも、しっかり毛は乾かしてあげましょう!

皮膚科医に、ワンちゃんの肌診断やスキンケアの相談も!

機会で水分量を測定している手
島田先生

「病気ではなく、皮膚ケアの相談をしてもいいんですか?」と思う方もいるかもしれませんが、愛犬の保湿ができているか?本当に乾燥していないか?をご自身で判断するのは難しいですよね。もちろん痒みもなく元気に過ごしているのであれば、「大きな問題はない」という目安にはなりますが、きちんと検証したい方には、ぜひ皮膚科に足を運んでみてください。病院によっては、犬の皮膚バリア機能や保湿機能を測定することもできます。

女性の方であれば、化粧品コーナーでお肌の水分量計測をした経験があるかもしれません。犬も同じように、お肌状態を「保湿機能計測器」や「バリア機能計測器」を用いてチェックできます。まだ研究段階のため、正常値が間違いないとは言い切れません。しかし、計測を続けて「その子の基準」を作ることで、今の季節はちょっと乾燥しているかもしれないから、こういう対策をしようということが考えられるようになります。

「カワイイ」は、ペットと飼い主さんが共に健康であること。

白い犬を抱き上げながら笑顔な女性
島田先生

飼い主さんが愛犬の「かわいさ」や「肌の状態」を気にかけることは、健康意識の改善にも、ワンちゃんの健康にもつながっていくはずです。もし「ウチの子、思っていたより乾燥しているかも…」と感じたら、その原因はシャンプーなのか?住んでいる環境なのか?を考える必要が出てきますよね。特に室内飼いが主流である今、飼い主さんが部屋の乾燥に注意することは、犬の住環境の見直しにもなるのです。

愛するペットのためにできることを一生懸命やることは、とても素晴らしいことです。ですが、ムリに頑張る必要はありません。飼い主さん自身が快適で、乾燥しない環境に過ごせていれば、愛犬も自然と健康でいられます。皮膚科認定医として、「愛犬と飼い主さんが共に健康であること」が理想のかたちだと思っています。


島田健一郎先生からのメッセージ

犬の絵をバッグに写る男性獣医師

「愛犬をもっとかわいくしたい」という飼い主の想いに獣医師として応えていきたいと考えています。ご自分で調べるより、もっと有益な情報が獣医師やスタッフから聞けると思いますので、ぜひ動物病院に足を運んで、「こんなこと聞いてもいいのかしら」と思うようなことも気軽に質問してください。

麻布十番犬猫クリニック

皮膚科、内科、外科、鍼・漢方、眼科、歯科、猫専科と幅広い診療科を持つ動物病院。往診体制や、24時間体制の総合動物医療施設である「日本動物医療センター」とも提携するほか、2020年7月7日には日本の「カワイイ」の発信地、原宿で「原宿犬猫クリニック」を開業。

麻布十番犬猫クリニックの看板

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