エキゾチックショートヘアは、丸い顔と短い鼻が特徴の愛らしい猫種です。穏やかで人懐っこい性格が魅力ですが、家族として迎える前に知っておきたい病気や飼育上の注意点もあります。本記事では、エキゾチックショートヘアの特徴や歴史、かかりやすい病気、飼い方のポイントをわかりやすく紹介します。
目次
エキゾチックショートヘアの歴史
エキゾチックショートヘアは、1960年代に交配で誕生した猫種です。長毛種であるペルシャをもっと手間をかけずに飼育したいという要望が多くなったことから、アメリカンショートヘアといった短毛種とのかけ合わせによって生まれました。
ペルシャとは被毛の長さが異なるだけで、体質や気質は非常に似通っています。エキゾチックショートヘアから長毛種が生まれることもありますが、血統登録の状況は団体によって異なります。
エキゾチックショートヘアのかかりやすい病気
続いて、エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気を解説します。日頃から体調や様子をよく観察し、異変がみられた場合は動物病院を受診しましょう。
短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
鼻や喉などの気道が生まれつき狭いことで、呼吸に支障が生じる病気です。ペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種でみられます。症状が重くなると、日常生活に支障をきたすことがあります。
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●症状
呼吸困難や、くしゃみがみられます。息を吸うときにゼーゼー、ヒューヒューという音がしたり、運動するとすぐに疲れたりすることもあるでしょう。苦しそうに口で呼吸するほか、鼻水が出ることもあります。 -
●診断
問診やX線検査、鼻咽頭内視鏡検査などを行います。 -
●治療
症状が重い場合は、気道を広げるための外科手術を検討します。
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
腎臓に多数の嚢胞(液体の入った袋)が形成される遺伝性の病気です。嚢胞が徐々に大きくなることで腎機能が低下し、最終的には腎機能不全に陥ります。
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●症状
初期には症状がみられないことが多いです。病気が進行すると、多飲多尿、食欲低下、体重減少など慢性腎臓病と同じ症状が現れます。重症化すると腎不全を発症することがあります。 -
●診断
超音波検査によって腎臓の嚢胞を確認します。また必要に応じて血液検査を行います。 -
●治療
根本的な治療法は確立されていません。腎機能を維持するための内科治療や食事療法を行います。定期的な検査によって病状の進行を確認します。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
まぶたが内側に巻き込まれ、まつ毛や被毛が眼球に接触する病気です。犬と比較すると猫ではまれですが、エキゾチックショートヘアやペルシャでは、他の品種よりも高確率で認められます。放置すると、角結膜炎を引き起こすことがあります。
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●症状
涙が増える、まぶたが痙攣する、眼が充血する、目やにが増えるなどの症状がみられます。 -
●診断
眼球表面を診察し、まぶたの内反を視認します。 -
●治療
角膜に接触している被毛の除去や、手術によって下まぶたの位置をずらす内反矯正手術を行います。
角膜黒色壊死症(かくまくこくしょくえししょう)
角膜の一部が黒く変色し、壊死する病気です。ペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種は、他の猫種と比べて多いとされます。5ヵ月~17歳で認められ、特に2~7歳で発症率が高い傾向にあります。
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●症状
通常、角膜中央に病変が認められます。 -
●診断
眼科検査によって角膜の状態を確認します。 -
●治療
治療方法は確立していません。ヘルペスウイルスの関与が考えられる場合は、その治療を行います。症状によっては、黒く壊死した部分を外科的に切除することもあります。
流涙症(りゅうるいしょう)
涙が過剰に分泌されたり、正常に排出されなかったりすることで、涙が溢れる状態です。短頭種の猫では、顔の構造が原因で起こりやすくなります。
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●症状
涙が常に溢れて、眼の周囲が濡れます。被毛が茶色や黒に変色します。 -
●診断
問診や眼科検査を行います。 -
●治療
涙の分泌が増える病気が原因となっている場合は、その病気の治療を優先します。顔の構造が原因となっている場合は、根本的な治療が難しいこともあり、症状に応じたケアを行います。
鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)
なんらかの原因により鼻涙管の通過障害が起きる病気で、猫ではまれに認められます。結膜炎によって眼球癒着が生じ、涙点が閉塞されることもあり、治療が困難なケースも存在します。
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●症状
鼻涙管(びるいかん)の閉塞によって、涙が溢れ出します。 -
●診断
眼科検査を行い、鼻涙管に液体を流す検査などで閉塞の有無を確認します。 -
●治療
原因となっている病気や炎症がある場合は、その治療を行います。分泌物による詰まりがあれば、生理食塩液を流して排出を試みます。顔の構造などが原因となっている場合は、根本的な治療が難しいこともあるでしょう。
エキゾチックショートヘアとの生活で気を付ける点
エキゾチックショートヘアは比較的飼育しやすい猫種と言われますが、一緒に生活する上で気を付けるべき点は複数あります。猫種の特徴や気質を把握し、飼い主さんと猫のどちらも過ごしやすい暮らしを目指しましょう。
適度に室内で動ける環境をつくる
エキゾチックショートヘアは活発に動き回る猫種ではないため、運動不足になりやすいと言えます。室内で無理なく遊びや運動ができるような環境を整え、体を動かしやすくしてあげましょう。
運動量は多くないものの、遊ぶことは好きです。1回5~15分の短時間でも良いので、ぜひ遊んであげてください。ただ、高い場所へのジャンプは得意ではありません。大きな段差はステップやスロープを置くなど、ケガを防ぐ工夫が必要です。
落ち着いて過ごせる環境を整える
エキゾチックショートヘアは基本的に大人しく、物静かな性格です。のんびりと過ごせる環境を整えてあげましょう。猫用のソファやベッドを設置するのも良い方法です。人の出入りが多い場所や賑やかな場所は避け、静かに過ごせる場所を選びます。
危険な物は見えるところに置かない
エキゾチックショートヘアは、好奇心が強い一面も持っています。気になった物に強い興味を示しやすいため、誤飲やケガにつながる物などは、見えない場所や手の届かない場所に置くようにしましょう。
フードの与え過ぎに注意する
エキゾチックショートヘアは運動量が少なく、太りやすい傾向があるため、フードの与え過ぎには注意が必要です。体重や運動量などを考慮し、適切な量を適切なタイミングで与えるようにしましょう。
毛や目元のお手入れを定期的に行う
エキゾチックショートヘアは短毛種のため、長毛種に比べると被毛のお手入れに手間はかかりませんが、定期的なケアは必要です。1日1回程度を目安にブラッシングを行いましょう。また涙が出やすいため、こまめに目元のお手入れをして涙やけを防ぐことが大切です。
エキゾチックショートヘアを飼うのに向いている人
エキゾチックショートヘアは穏やかな気質のため、猫とともにゆったりとした時間を過ごしたい人に向いています。また、短頭種ならではの病気にかかりやすい傾向があるため、日頃から体調の変化を観察し、目元のお手入れや体重管理などを無理なく続けられる人に適しているでしょう。
エキゾチックショートヘアとの具体的な生活を検討してみよう
エキゾチックショートヘアは、穏やかで人懐っこい性格が魅力の猫種です。一方で、短頭種特有の体質から、涙やけを防ぐこまめなケアや肥満防止の食事管理などが欠かせません。特徴や飼育のポイントをしっかり理解し、適切なケアを行うことで、一緒に暮らしやすくなるでしょう。家族として迎える前に、生活環境やお世話の内容を具体的にイメージし、準備を進めてみてください。
服部 幸 先生



