LINE友だち募集中 LINE友だち募集中
アメリカンカール│歴史・かかりやすい病気・生活で気を付けたい点【専門家監修】

アメリカンカール│歴史・かかりやすい病気・生活で気を付けたい点【専門家監修】

 
服部 幸
      

アメリカンカールは、後ろ向きにカールした耳が特徴の猫種です。愛嬌がありおとなしい性格なので、しつけもしやすいのが魅力。一方で、耳の構造上ケアが欠かせず、かかりやすい病気にも注意が必要です。この記事では、アメリカンカールの歴史やかかりやすい病気、生活で気を付けたいポイントを紹介します。

目次

アメリカンカールの歴史

お座りするアメリカンカール

アメリカンカールは、1981年にアメリカ・カリフォルニア州レイクウッドで、ジョン&グレース・ルーガ夫妻が耳が後ろ向きに反った迷い猫「シュラミス」を保護したことをきっかけに誕生した猫種です。繁殖を試みたところ、生まれた子猫の約半数に同じ耳の形が現れ、この特徴が遺伝性であることが分かりました。

1983年にはキャットショーで注目を集め、異例の速さで新品種として認められます。その後、シュラミスの子孫である「メルセデス」から短毛タイプのアメリカンカール・ショートヘアも誕生し、世界各地へと広まっていきました。性格は遊び好きで甘えん坊。明るく陽気な性格から、「猫のピーターパン」と呼ばれることもあります。

アメリカンカールの特徴

耳が後ろに沿ったアメリカンカール

アメリカンカールの特徴といえば、後ろ向きに反った耳です。これは突然変異によって耳介(外から見える耳の部分)の軟骨が変形しているためで、生後すぐの耳はまっすぐしています。生後2~10日ほどで軟骨が変形し始め、徐々に特徴的なカールが現れます。

耳介の軟骨は硬く、耳道が狭い個体が多いため、耳垢がたまりやすい点には注意が必要です。体は筋肉質でやや大柄、成長しきるまでに2~3年ほどかかります。なだらかな鼻筋とアーモンドの形の目、体長と同じくらいの長さの尾も特徴。被毛は交配を重ねてきた背景から、色や長さにさまざまなバリエーションがあります。

アメリカンカールのかかりやすい病気

寝そべるアメリカンカール

アメリカンカールは頭数が少ない品種のため、「この病気が特に多い」と医学的に確立されている疾患は、現時点では多くありません。

一方で、獣医療の現場では外耳炎が比較的多く見られること、また遺伝性網膜変性についての報告があることから、飼い主の方に知っておいてほしい病気として、解説していきます。

外耳炎(がいじえん)

外耳炎は、外耳道から鼓膜までの範囲に炎症が起きる病気です。猫は犬に比べると外耳炎にかかるリスク(罹患率)や発症率は低いものの、アメリカンカールは独特な耳の形状を持つため、外耳炎にかかりやすいとされています。耳の中で細菌や真菌が増殖しやすいため、異変が見られた場合は早めに病院を受診しましょう。

  • ●症状

    耳垢が多い、耳の中が赤く腫れている、においがする、耳を気にして掻く、頭を頻繁に振るといった症状は、外耳炎のサインです。
  • ●診断

    耳鏡で耳の中を確認し、耳垢検査を行います。
  • ●治療

    原因に応じて、耳内の洗浄や点耳薬による治療を行います。

遺伝性網膜変性(いでんせいもうまくへんせい)

遺伝性網膜変性は、猫ではまれな病気で、視力が衰えて最終的には失明に至ることがあります。暗い場所で物が見えにくくなる夜盲の症状から認められ、一般的に両目ともに生じるのが特徴です。

  • ●症状

    初期は飼い主が気づくことは少なく、部屋の中でぶつかることが多くなった、あまり動きたがらないなどの症状が認められて来院するケースが多くあります。
  • ●診断

    眼底検査や網膜電図検査によって診断します。
  • ●治療

    現時点では、有効とされる治療法はありません。

アメリカンカールとの生活で気を付ける点

横たわるアメリカンカール

アメリカンカールは耳の形が特徴ですが、汚れがたまりやすいため日々のケアが欠かせません。また、短毛種と長毛種ではお手入れの方法が異なります。健康に過ごせるよう、耳と被毛の状態をこまめにチェックしましょう。

耳のケアを定期的に行う

耳道が狭く、さらに軟骨が硬いため汚れがたまりやすい傾向があります。そのため外耳炎に注意し、日頃から耳の状態をこまめにチェックしましょう。耳介も硬くデリケートなので、無理に曲げたり強く触ったりしないことが大切です。耳道は構造上ケアが難しいため、傷つけないようやさしく行いましょう。

汚れが気になるときは、やわらかいコットンにイヤークリーナーを染み込ませ、やさしく拭き取ります。ただし、掃除をしすぎると、かえって炎症が起きやすくなったり、カールした部分の軟骨を傷めたりするおそれがあります。自宅でケアをするのは耳の内側の耳介部分にとどめ、耳の中が汚れている場合は病院で診てもらう方が良いでしょう。

1日1回のブラッシングを行う

アメリカンカールの被毛のお手入れは、それほど難しくありません。長毛タイプでもアンダーコートが少ないため毛量は多くなく、抜け毛も比較的少なめで、毛玉ができにくいのが特徴です。短毛タイプは1日1回のブラッシングをしましょう。長毛タイプの場合は、朝と晩に1回ずつ、ブラッシングに加えてコーミングを行うのが理想です。

アメリカンカールを飼うのに向いている人

階段に横たわるアメリカンカール

アメリカンカールは、人に寄り添うのが好きで愛嬌があり、比較的おとなしい性格の猫です。そのため、猫と穏やかに暮らしたい人に向いています。しつけがしやすいことから、初めて猫を迎える家庭にもおすすめです。

短毛・長毛の両タイプがいるため、ブラッシングなど日々のお手入れを無理なく続けられる人であれば安心でしょう。また、耳のケアが欠かせない猫種のため、こまめに健康状態をチェックできる人に適しています。

アメリカンカールの特徴を理解して迎え入れよう

なでられるアメリカンカール

アメリカンカールは、遊び好きで愛情深く、初めて猫を迎える人にも向いている猫種です。一方で、耳が汚れやすく外耳炎のリスクがあるため、日々のチェックと丁寧なケアが欠かせません。短毛種・長毛種それぞれに適したブラッシングを続けることも大切です。アメリカンカールの特徴を理解したうえで、お迎えする準備を整えてあげましょう。

監修者プロフィール

服部 幸 先生

東京猫医療センター(東京都江東区)院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。 北里大獣医学部卒。 猫ちゃんと飼い主様がともに幸せになることを目標に、病気の治療だけでなく日頃のケア、飼い方のアドバイスなど、 幅広く猫ちゃんと飼い主様のよりよい関係作りの活動を行っている。
  • twitter
  • facebook
  • LINE

記事制作にご協力頂いた方

「いいね♡」を押すとブログを書いた動物病院にHugQポイントが贈られます。
会員登録をしてあなたの「いいね♡」を動物病院に届けてください!

「ブックマーク」機能の利用には会員登録が必要です。