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甘え上手で、のんびり屋。かわいいキャバリアと獣医師・大平先生一家の暮らし方

甘え上手で、のんびり屋。かわいいキャバリアと獣医師・大平先生一家の暮らし方

  • 大平 憲二
  • 大平 祐佳里
      

獣医師の先生に愛犬との暮らしについて聞く「Vet’s Dogs~獣医の犬の飼い方~」。今回は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(以下、キャバリア)のちゃむくんと暮らす「倉吉おおひら動物病院」(鳥取県倉吉市)の大平憲二先生と祐佳里先生のもとを訪ねました。ちゃむくんは11年前、祐佳里先生が一目ぼれしたキャバリアの男の子。ちょっと内気なちゃむくんとの毎日の暮らし方をはじめ、一般的なキャバリアの性格や注意すべき病気などについて、たっぷりと伺ってきました。

プロフィール

大平 憲二 先生

2014年に日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、名古屋市の茶屋ヶ坂動物病院、東京都の亀戸動物総合病院に勤務。2016年からはJACCT(動物心臓血管ケアチーム)にも所属し、心臓領域において専門技術を高める。2020年に地元である鳥取県倉吉市に「倉吉おおひら動物病院」を開院。最新の機器を活用した超音波検査に力を入れるなど、動物に痛みやストレスの少ない診療を行う。
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プロフィール

大平 祐佳里 先生

2011年酪農学園大学獣医学部獣医学科を卒業後、東京都の亀戸動物総合病院に勤務。2018年より同病院分院ふなぼり動物病院の院長を務めた。2020年からは憲二先生とともに「倉吉おおひら動物病院」の獣医師として地域の小動物の治療に従事。特に麻酔科、歯科における専門性を活かし、オーナーの不安に寄り添った治療を行う。
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目次

愛らしさに一目ぼれ。優しくて甘えん坊なキャバリアとの出会い

カメラをまっすぐ見つめるキャバリア・ちゃむくん

キャバリアのちゃむくんとは、どのように出会ったのですか?

実家の家族がみんな犬好きで、小さな頃からいろんな犬種を飼っていて、キャバリアはその見た目の愛らしさがたまらず、いつか自分でも迎えたいと思っていたんです。獣医師となって忙しい毎日を送る中、ペットショップを巡ったり、ブリーダーサイトを見たりするのが癒しの時間でした。そんなときにちゃむを見つけたんです。インターネットで出会って、すぐに電車で2時間弱かけて会いに行きました。うちの子にすることを即断し、家族には事後報告しました(笑)。

一般的に、キャバリアにはどんな子が多いですか。

温和で社交性が高く、誰とでも仲良くなれる子が多いですね。診察台に乗ってもしっぽをフリフリしていますよ。「うちのキャバリアは番犬にならない」というコミックエッセイがあるように、とてもフレンドリーでのんびり屋。危ないことや無茶なこともしません。階段や椅子から下りられず助けを求めるのは、“キャバリアあるある”です。見た目のかわいらしさと相まって、ついつい甘やかしてしまう飼い主さんも多いようです(笑)。

獣医師・大平祐佳里先生の腕に抱かれるキャバリアのちゃむくん

かわいいキャバリアを甘やかさないのは難しそうです……。

飼い主さん側も要求に応えすぎないよう我慢が必要ですね(笑)。家族への愛情が深い分、分離不安になってしまう子もいますので、小さなときから留守番に慣れさせるなど工夫してあげてください。ただ寂しがり屋ですので、留守が長い家庭や一人暮らしの方には難しいかもしれませんね。

キャバリアは食欲旺盛!体重管理と誤飲誤食に気を付けて

白い壁際に立つキャバリアのちゃむくん

キャバリアの健康管理で、大切なポイントを教えてください。

キャバリアは、食欲旺盛で食べることが大好きです。適正体重は5~8キロと言われていますが、個体差があるので個々の骨格に合わせて判断しましょう!ポイントは体を触ったときに、肋骨に適度に脂肪があって、肋骨もしっかり触れること。また横と上から見て、ウエストにくびれがあることです。判断が難しければ、動物病院で適正体重の目安を教えてもらってください。

お散歩の距離や回数、運動量についてはどうでしょうか?

1日2回、20~30分程度の散歩が目安です。ちゃむは散歩が嫌いで「変形性脊椎症※」もあるので無理はさせません。寒さや暑さで体調を崩す子も多いので、季節や気温に合わせて、室内で遊ぶなど無理なく運動させてあげてください。

※変形性脊椎症:加齢などが原因で脊椎が変形し、進行すると痛みが出ることも。

食欲旺盛なキャバリアで、注意したいことはありますか?

1歳未満の子は誤飲誤食が怖いですね。ちゃむもおもちゃを飲んでしまい、何度か薬で吐かせる催吐処置をしました。テーブルからの落下物で、ワンちゃんには良くない食べ物や匂いのついたプラスチックのキャップなども危険です。シニア犬になった今もすごく気を付けて生活していますが、特に1歳までは目が離せないので、注意してあげてください。

心臓病のリスクが高いキャバリア。症状に気付くポイントは“咳”

2匹で寄り添うチワワのこころちゃんとキャバリアのちゃむくん

循環器を専門とされている憲二先生にお聞きします。キャバリアの心臓病リスクについて教えてください。

キャバリアは、心臓弁膜症、特に心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁に不具合が生じる「僧帽弁閉鎖不全」が起こりやすい犬種です。この僧帽弁が機能しなくなると血液が逆流し、心不全や肺水腫が起こり、命にかかわります。加齢に加え、キャバリアは遺伝的な心臓病リスクが指摘されており、若い子でも罹患しているケースが見られます。早い子では3歳くらいから異常が見られます。

飼い主さんが症状に気付くポイントは“咳”です。肺水腫まで進行していると湿った咳になるので、すぐに受診してください。また、息苦しそうにしたり睡眠時間が多くなったりした場合も、ほかの病気の可能性を含め受診されると良いでしょう。

心臓病のリスクについて語る、獣医師の大平憲二先生

心臓病のリスクに、飼い主さんはどんな対応ができますか?

心臓病は慢性内科疾患で完治が難しい病気ですが、心拡大を抑えたり血圧を正常化したりする薬や、強心薬などを使いながら見守っていくことになります。ここ数年は外科手術の成功率も上がっていますが、まだまだ容易ではありません。
だからこそ、飼い主さんにはできるだけ定期検査を受けさせてほしいですね。“キャバリアには遺伝的な心臓病のリスクがある”という認知は広がっている気がしますので、1歳以上なら年1回、7歳以上なら半年に1回程度の頻度で検査を心がけてください。聴診と心臓の中の動きを確認できる超音波検査が最適です。加えて血液検査やレントゲン検査も、可能な範囲でやってあげてくださいね。

ちゃむくんを検査する大平先生

Pointキャバリアが遺伝的になりやすい病気「心臓弁膜症」

  • 1. キャバリアは遺伝的に心臓病のリスクがある
  • 2. 定期的な超音波検査で、心臓と弁の動きを確認する
  • 3. 検査と薬で早期発見、症状悪化を防ぐことができる

大きな瞳は乾燥しやすく、湿気のこもるタレ耳は外耳炎のリスクも

耳の状態をチェックされるキャバリアのちゃむくん

目や耳の病気で気を付けることはありますか?

大きな瞳のキャバリアは加齢とともに目が乾きやすくなり、「乾性角結膜炎」を起こしやすい犬種です。シャンプー後のドライヤーは、目の乾燥を進めて充血や炎症を引き起こすことも。また、湿気がこもりやすいタレ耳は「外耳炎」に要注意。耳をゴシゴシ拭いたり、綿棒でゴリゴリしたりするのはNG。傷から細菌感染を起こしてしまいます。専用の洗浄液をたっぷり耳に入れてマッサージしてあげると、汚れが浮き出てきますよ。

その他に気を付けたい病気などがあれば、教えてください。

鼻の長さが短いため、「短頭種気道症候群」も見られます。ちゃむもいびきがすごいですね。肥満は気道を塞いでしまうので、太らせないこと。夏場は呼吸状態が悪くなりやすいので、エアコンの使い方や散歩の時間帯などに気を付けてあげましょう。またキャバリアに限らず、歯磨きはとても重要。小さな頃から練習をして、歯周病を防いであげてください。歯周病菌は「感染性心内膜炎」などの二次的な病変を起こすことが知られています。特にキャバリアは僧帽弁が弱いですので、注意しましょう。歯磨きガムで遊びながらの奥歯ケアもおすすめです。

Pointキャバリアの気を付けたい病気

  • 1. 目が大きくドライアイや「乾性角結膜炎」になりやすい
  • 2. 湿気がこもりやいタレ耳は「外耳炎」のリスクも
  • 3. 鼻が短い犬種に多い「短頭種気道症候群」
  • 4. 歯周病には要注意!心臓病のリスクを上げる原因にも

季節を問わず抜け毛の多いキャバリア。毎日のケアを欠かさずに

細くて柔らかいキャバリアの毛

抜け毛が多いキャバリアですが、シャンプーのやり方や注意点を教えてください。

キャバリアは1年中、抜け毛が大変です!私たちも毎日5分程度ブラッシングしていますが、永遠に抜けます(笑)。毛が細くて柔らかいため毛玉になりやすいですが、トリミングは必要ない犬種です。サマーカットされている方もいますが、カットするなら足の裏や足先だけでよいかもしれません。
シャンプーは、2週間に1回程度が目安。冬場なら月1回でもOKですよ。よく泡立ててから、優しくシャンプーしてあげましょう。ちゃむはアトピー気味なので、泡の保湿液でバリア機能低下を防ぐようにしています。また、毛を乾かす際には顔回りのドライヤーに注意してくださいね。

ありがとうございました。最後にキャバリアオーナーの皆さんへメッセージをお願いします。

大平憲二先生、祐佳里先生、キャバリアのちゃむくん、チワワのこころちゃん

甘え上手なキャバリアはかわいらしい見た目も加わり、飼い主さんを虜にしてしまいます。ちゃむは実家のときから、主人と同居犬のこころとの新生活、さらに引っ越し先の鳥取では人間の赤ちゃんが生まれるという、複数の環境の変化を経験しています。そのたびにゆっくりと私たちに寄り添う心優しい姿を見せてくれました。抜け毛は大変で、心臓病のリスクに向き合う必要がありますが、定期的な検査と愛情をたっぷりかけて、あなたのキャバリアちゃんと長く楽しく暮らしてくださいね。

倉吉おおひら動物病院の建物外観、撮影スタジオのようなシンプルかつお洒落な待合室倉吉おおひら動物病院 鳥取県倉吉市海田東町530番地

 
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