活発トトロちゃんと控えめポニョちゃん、11歳の兄弟ポメラニアンと獣医師・青島先生の暮らし方

活発トトロちゃんと控えめポニョちゃん、11歳の兄弟ポメラニアンと獣医師・青島先生の暮らし方

青島 大吾
      

獣医師の先生に愛犬との暮らしについて聞く「Vet’s Dogs~獣医の犬の飼い方~」。今回は、ポメラニアンのトトロちゃん、ポニョちゃんと暮らすダイゴペットクリニック院長、青島大吾先生のもとを訪ねました。2匹で仲良く暮らすトトロちゃんとポニョちゃんは、11歳の兄弟犬。ポメラニアンならではの性格やかかりやすい病気などについて、たっぷりと伺ってきました。

プロフィール

青島 大吾 先生

東京大学農学部獣医学専修、同大動物医療センター研修医外科学修了。ライオン動物病院・日本動物高度医療センターで勤務し、2010年愛知県豊田市にダイゴペットクリニックを開院。信条は、飼い主とペットが安心して受診できる、“Home away from home(もう一つのわが家)”。施設とスタッフの拡充を続け、現在は本院の豊田中央医療センターのほか岡崎大和、日進オハナ院の3院で年中無休の診察をしている。気軽に相談できる身近な獣医師として、また地域の中核病院としての医療提供を目指している。
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目次

病院犬として迎えたポメラニアンの兄弟が、心のよりどころに

トトロちゃんとポニョちゃん

まず、先生が獣医師を目指したきっかけについて教えてください。

中学生の頃、学校からの帰り道にカラスの雛を拾ったんです。どうにかして育てようとしたんですが、何をどうしたら良いか分からなくて。ごはんをあげたりもしたんですけど、結局死んでしまったんです。その思い出は、子ども心に悔いが残る出来事で……。いつか動物の病気を治せるようになりたいと、獣医師を目指すようになりました。動物はずっと好きで、家ではハムスターや猫を飼っていました。

トトロちゃんとポニョちゃんとは、どのように出会ったのですか?

懇意にしていたブリーダーさんから、開業祝いに譲っていただいたんです。生まれたばかりの2匹を見せてもらって、犬の兄弟は離れ離れになってしまう子が多いので、ぜひ兄弟一緒に引きとりたいなと。

また開業した当時は、入院している子もおらず、病院には僕しかいませんでした。だからこそ「病院の看板犬になってほしいな」と思ったんです。そばにいてくれるだけで、心が和らぐというか。僕にとって、トトロとポニョは心のよりどころになりました。信頼関係もすぐに築くことができましたね。

実際に2匹を一緒に飼ってみてどうでしたか?

多頭飼いは良いですね。じゃれ合ったり、遊んだり、そばに寄り添ったり。僕たちは仕事や用事があって、一日中は見てあげられませんけど、2匹でコミュニケーションを取り合って幸せそうに過ごしているので、一緒に暮らせてよかったと思っています。

自由気ままなところがあるポメラニアンだから、大らかに接してあげて

トトロちゃんとポニョちゃんの性格を教えてください。

トトロは活発で、小さな頃からやんちゃな子でした。よくポニョを甘噛みしていましたね。ポニョはどちらかというと控えめで、トトロが僕のところに駆け寄ってくるときも、後ろに控えているというイメージ。トトロが、お兄ちゃんなのかな。
でも、彼らももう11歳。年を取ってからは、性格や立場が逆転したような場面も見られるようになりました。じゃれ合うことはあってもケンカはせず、基本的に仲が良い2匹です。

一般的に、ポメラニアンはどんな性格ですか?

活発な子が多く、愛嬌がありますね。知らない人に吠える子もいますが、好奇心旺盛な証拠ではないでしょうか。特に女の子よりも男の子に、その傾向がありますね。頭も良く、過去の出来事もきちんと記憶しています。だから、しつけもある程度のレベルまではしっかり習得できるはずです。

ポメラニアンの性格を考えると、オーナーはどのように接するのがよいでしょうか?

好奇心旺盛な性格ですから、あまり厳しくし過ぎず大らかに接してあげてください。怪我につながるような行動には注意が必要ですが、頭の良い子たちなのできっと大丈夫でしょう。愛情をかけた分だけ応えてくれる犬種ですので、たくさん愛情を注いであげてくださいね。

「かわいがり過ぎると、わがままになってしまうかも…」と心配される方がいるかもしれません。僕も一緒に寝ていた時期があって、その頃の2匹はもっと甘えん坊で、わがままでした(苦笑)。
「適度な距離感で、適度に厳しく、適度に大らかに」がベストですね。とはいえ、たくさんかわいがってあげるのが一番ですよ。

前脚の骨が細いポメラニアン。骨折には要注意!

ポメラニアンを飼う上で、注意した方が良いことを教えてください。

まずは骨折です。特にポメラニアンは、前脚の骨が少し細く骨折しやすいことを覚えておきましょう。飛び降りた拍子に折れるなど、明確な原因があるときだけでなく、何もしなくても折れてしまうことがあります。実はポニョも1歳のときに骨折を経験……。家の中でも、ソファーや段差などに対する配慮をしてあげてくださいね。
膝の脱臼、「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」にも注意が必要。膝のお皿のような骨、膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう症状です。原因は、先天的なものであったり、激しい運動や転倒など後天的なものであったり。治療には保存療法や、場合によっては手術を行います。
割合は少ないですが、「気管虚脱」もあります。ホース状の気管を覆う軟骨が、何らかの原因でゆがんだり、押しつぶされたりして、呼吸がしづらくなる病気です。ポメラニアンやマルチーズ、チワワなどの「トイ種」と呼ばれる小型犬に多く見られます。首輪を強く引っ張るなど気管まわりを圧迫する行為はやめましょうね。
白内障の子も一定の割合でいますので、目のレンズの真ん中部分が白く濁っているようなら、獣医師さんに相談してください。

噛み合わせに影響する「乳歯遺残」は抜歯も

口腔内で気をつけた方が良いところはありますか?

これも小型犬に多い症状なのですが、「乳歯遺残」と言って、本来抜けるべき乳歯が残ってしまうことがあります。残しておくと歯並びに影響し、噛み合わせに不具合が出るなどのリスクがあります。適切な時期に病院でチェックを受けて、抜けていないようなら抜歯処理を受けると良いでしょう。
また、歯磨きも大切です。歯ブラシによる歯磨きのほか、ガーゼで拭ってあげるなど日常的なケアが欠かせません。3日間、歯磨きしなければ、歯垢は歯石になると言われています。うちの2匹は嫌がってあまり歯磨きができていないので、2、3年に一度は病院で歯石を取り除く処置をしています。

Pointポメラニアンで気をつけてあげたい病気や症状

  • 1. 前脚を骨折しやすい
  • 2. 膝蓋骨脱臼では手術が必要なことも
  • 3. 乳歯遺残があるなら、抜歯の検討を

他に日常的に気をつけていることはありますか?

トトロは心臓が弱いので、塩分控えめのフードにしています。それに合わせてポニョも同じものを食べていますね。定期的に、聴診器での診察や血液検査などを行っていますが、日常の中でも、湿った咳をしていないか注意して見ておくようにしています。
散歩は1日2、30分。性格の違う2匹を上手に歩かせるのは、なかなか大変です。枝分かれしたリードは人間にとっては扱いやすいですが、しつけのためには別々のリードを使う方が良いと思いますよ。

かけた分の愛情をしっかり返してくれるポメラニアンを、たくさんかわいがってあげてください

ありがとうございました。最後にポメラニアンのオーナーの皆さんへメッセージをお願いします。

ポメラニアンは頭の良い犬です。多少、自由気ままなところもありますが、かけた分の愛情にしっかり応えてくれます。開業して一人だった頃から僕の相棒は、この2匹。この子たちが元気でいてくれるだけで、とても幸せです。トトロは心臓の状態が良くありませんので、今後の生活において不安な気持ちもありますが、病気と上手に付き合いながら、これからも一緒に楽しく過ごしていきたいと思っています。オーナーの皆さん、ぜひいっぱいかわいがってあげてくださいね。

ダイゴペットクリニック 豊田中央医療センター 愛知県豊田市松ヶ枝町2-33-1-1 岡崎大和院 愛知県岡崎市大和町字中切33-1 日進オハナ院 愛知県日進市梅森台2-260

 
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