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優しいゴールデンレトリバーのつぶくんと、獣医師・本田先生の大らかな暮らし方

優しいゴールデンレトリバーのつぶくんと、獣医師・本田先生の大らかな暮らし方

 
本田 耕一
ほんだ動物病院
200HugQ
      

獣医師の先生に愛犬との暮らしについて聞く「Vet’s Dogs~獣医の犬の飼い方~」。今回はゴールデンレトリバーのつぶくん(1歳)と暮らす、ほんだ動物病院の本田耕一院長のもとを訪ねました。いつもニコニコして、名前を呼ぶだけでも喜ぶというつぶくんとの出会いから、ゴールデンレトリバーならではの性格やかかりやすい病気などについて、たっぷりとお話を伺いました。

プロフィール
本田 耕一 先生

本田 耕一 先生

ほんだ動物病院院長、獣医師。2011年に酪農学園大学獣医学科を卒業後、静岡県や高知県、愛媛県の動物病院を経て、2021年、愛媛県松山市に「ほんだ動物病院」を開院。ご家族とペットにとって何が大切なのかを共に考え、最善の治療を提供。日本獣医がん学会、日本獣医麻酔外科学会、日本獣医腎泌尿器学会、日本獣医循環器学会に所属。
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目次

いつもニコニコの笑顔で、名前を呼ぶだけで喜ぶ。
ゴールデンレトリバーの性格とは?

ゴールデンレトリーバーのつぶくん

初めに、つぶくんとの出会いについて教えてください。

子どもが生まれて、家族が増えた中で、犬は飼いたいと思っていました。過去には実家でウエストハイランドホワイトテリアを飼っていたり、大学時代に雑種の子を迎え入れたり、ヨークシャテリアと暮らしたこともありました。私はどんな犬種でも良かったのですが、妻は実家でゴールデンレトリバーを2頭飼っていたことがあり、ずっとゴールデンレトリバーを飼いたいと言ってたんです。

そんな折に、知り合いのブリーダーさんのゴールデンレトリバーが妊娠したことを知って、その子がすごく優しい子だったので、妻に伝えたところ「ぜひ迎えたい」と。ちょうど開業したばかりでしたし、子犬との時間をたくさん作れると思い決めました。

つぶくんを迎えてみて、実際にどんな性格の子でしたか?

お母さん似の優しい性格ですね。つぶは一度も怒ったことがないですし、吠えることも滅多にない。“ザ・ゴールデンレトリバー”という感じで、いつもニコニコしていて名前を呼ぶだけでも喜びます。またお散歩が大好きで、まだ1歳ですけど、一緒に全速力で走るのはもう無理ですね(笑)。4ヶ月ぐらいまでは私と同じスピードでしたけど、今はつぶの方が速いですから。なので、走り回るときは、基本的にドッグランに行きます。

優しくてフレンドリーなゴールデンレトリバー。
何でも口に入れるので、部屋に置くものには気をつけて

獣医師の本田 耕一 先生と一緒に遊ぶゴールデンレトリーバーのつぶくん

日々診療されている中で、ゴールデンレトリバーにはどんな性格の子が多いと感じますか?

平和主義でフレンドリーな子は多いですね。その子の性格もあるので一概には言えませんが、他の犬種と比べると、ニコニコと尻尾をふって懐いてくれる子が多い。吠えたり暴れたりする子は少ない印象ですね。また「おすわり」「まて」「おいで」など、飼い主さんの言うことをよく聞いてくれるのも、ゴールデンレトリーバーならではだと思いますね。

ただ何でも口にする癖があるので、薬など口にしたらまずいものは部屋に置かないこと。つぶの場合、飲み込むというよりは何でも噛みちぎります。ソファもビリビリにしますし、壁にも穴を開けます。昨日も子どもの靴をボロボロにしていましたね(苦笑)。ただ、それもゴールデンレトリバーの魅力だと思うので、飼い主さんは大らかに付き合ってあげてください。

獣医師の本田 耕一 先生

ゴールデンレトリバーと暮らす上で、先生が注意している点はありますか?

噛み癖と飛びつき癖はやめさせていますね。小さい子どもに、大型のゴールデンレトリバーが甘噛みをしたり飛びついたりするのは危険ですから、そういう意味で止めています。また噛み癖や飛びつき癖をやめさせる際は、「ダメよ!」と叱るのではなく、反応しないことが大切です。声を出して怒ると、犬は遊んでくれると勘違いしています。

ただ私としては、つぶの好きなように生活させています。日々の診察で慣れていることもありますが、ゴールデンレトリバーで本気で噛む子はほぼいないですから。それに飛びついてジャレてくるのが、かわいいところでもあるので、あまり神経質にならずに遊んであげてください。

Point遊びが大好きなゴールデンレトリバーとの付き合い方

  • 1. 口に入れられて困るものは部屋に置かない
  • 2. 部屋やものを壊しても、大らかに受け止める
  • 3. 甘噛みや飛びつき癖をやめさせるには、反応しないことが大切

ゴールデンレトリバーは、痩せ過ぎより太り過ぎに注意!
「股関節形成不全」が気になる方はかかりつけの動物病院へ

おやつを食べるゴールデンレトリーバーのつぶくん

ゴールデンレトリバーの健康管理で、大切なポイントはありますか?

お散歩が好きな子も多いと思うので、1日30分程度は心がけてあげるといいと思います。わが家では朝は妻が、夜は私の担当です。もちろん健康面のこともありますが、ワンちゃんのストレス解消という意味でも散歩はおすすめです。

つぶの場合は、お散歩が好きすぎて、ごはんよりも喜ぶかもしれません(笑)。あまりに喜ぶので、それをダメとは言えませんよね。同じゴールデンレトリバーを飼われている飼い主さんは、もし可能なら月2回程度はドッグランに行けると、なお良いですね。

ゴールデンレトリバーに適正な体重はあるのでしょうか?肥満気味だと「股関節形成不全」の危険性があると聞きました。

ゴールデンレトリバーは、痩せ過ぎより太り過ぎの方が問題になりやすい犬種。「お腹が出ていないか」「お腹が出ていなくてもクビレがあるか」など、日々のコミュニケーションの中でチェックしてみてください。また「股関節形成不全」といって、股関節が悪い子も多いのも特徴です。

治療法は軽度なら炎症を取るサプリメントを摂ったり、重度の場合は人工股関節という手段もあります。「股関節形成不全」は遺伝的な要因が7割、環境的な要因が3割と言われていますが、心配な方は1歳の去勢・避妊手術時にレントゲンを撮るなど、かかりつけの動物病院で相談してみてください。

Pointゴールデンレトリバーの体重管理ポイント!

  • 1. お散歩は1日30分程度が目安、月2回程度はドッグランへ
  • 2. 痩せ過ぎより太り過ぎに注意!お腹やクビレをチェック!
  • 3. 股関節形成不全が心配な方は、若いうちから定期検診を

暑さに弱いわけでないが、暑がりなゴールデンレトリバー。
5、6月の熱中症、夏場の皮膚炎に、しっかり対策を

ゴールデンレトリーバーのつぶくんをなでる獣医師の本田 耕一 先生

暑さ・寒さなど、特に注意したい季節などはありますか?

特別暑さに弱いわけでないですが、ゴールデンレトリバーは暑がりだとは思いますね。ゴールデンレトリバーに限らず、犬の熱中症は5、6月が多い。外だけでなく室内でもなるので、大丈夫かな?と思ったらエアコンはつけてあげてください。朝涼しいからといって油断は禁物です。

また、アレルギーなどが多い、特別に皮膚が弱い、という印象はありませんが、ゴールデンレトリバーは股の部分が荒れやすいです。股の皮膚が荒れる原因としては、「膿皮症」と言って、犬の皮膚に常に存在する菌のひとつであるブドウ球菌が、異常に増えたときに痒みを引き起こします。そういうときは薬用シャンプーで洗ってあげるといいですね。

Pointゴールデンレトリバーの体調管理ポイント!

  • 1. 暑がりなゴールデンレトリバーだから5、6月熱中症に注意!
  • 2. 膿皮症には薬用シャンプーで。痒みがひどいときは動物病院へ

ゴールデンレトリバーに多い「外耳炎」「胃捻転」「ガン」。
飼い主さんは何に気をつければ良い?

ゴールデンレトリーバーのつぶくん

ゴールデンレトリバー特有の気をつけたい病気や怪我はありますか?

大型犬の中では「外耳炎」が比較的に多い犬種です。赤く腫れていたり、痒みがひどいときは動物病院を受診されて下さい。耳垢があっても耳に痒みがなければ問題ではありません。耳垢は耳の中を守る役割もあるので、洗浄液を使っての耳掃除は月1~2回程度に留めましょう。

またハグワンを読んでいるゴールデンレトリバーの飼い主さんには、「胃捻転」を知っておいてほしいです。意外と知らない方が多いですが、胃捻転は命に関わる緊急疾患。症状としては「吐き気はあるが吐けない」「落ち着きがなく苦しそう」「急にお腹が膨れてきた」など。胃捻転は短時間で死に至る緊急疾患であり、早期に適切な処置が必要です。症状が見られたときは経過観察などせず、すぐに動物病院に連れて行ってください。

最後にゴールデンレトリバーは、ガンも多い犬種です。犬と人の生涯におけるガンの発生率は同等と言われ、人間と同様に中高齢(5、6歳~)から発生が多くなります。早期発見のためにも、年に1~2回健康診断を受けてみるのが良いと思います。

ゴールデンレトリーバーのつぶくんをなでる獣医師の本田 耕一 先生

ゴールデンレトリバー特有の気をつけたい病気

  • 外耳炎
    「外耳炎」は耳が垂れている犬種に多い病気。よく掻いていたり赤みがあったりした場合は拭き取ってあげてください。痒みが酷い場合は、かかりつけの病院を受診しましょう。
  • 胃捻転
    中高齢で発症することが多く、原因はハッキリしていません。「食事回数が少ない(1日1回)」「一回の食事で与える分量が多い」「食後すぐの運動」「早食い(空気を飲み込む)」などが危険因子として考えられています。命に関わる緊急疾患のため、疑わしい症状があればすぐに受診しましょう。
  • ガン
    中高齢(5、6歳~)から発生率が高まるため、定期的な検診がおすすめ。また若くてもかかる可能性もあるので、普段から体を触って出来物がないかチェックしたり、定期的に健康診断を受けたりすることが大切です。

ありがとうございました。最後にゴールデンレトリバーのオーナーの皆さんへメッセージをお願いします。

笑顔で話す獣医師の本田 耕一 先生

ゴールデンレトリバーは優しくて、ふわふわの毛が魅力のかわいい犬種です。ベッドで一緒に寝ると温かいですし、朝に「ハアハア」と私が起きるのを待っているのもたまりません。家族として大切な存在だからこそ、気をつけたい病気があるのも事実です。

私が小学生のとき、実家にウエスティ(ウエストハイランドホワイトテリア)を迎え、共に過ごすにつれて、ペットや動物というより「家族」という想いが強くなり、とても大事な存在になりました。ペットたちは、皆さんにとってもかけがいのない大事な存在だと思います。その子たちが病気になったときに最善のことを提供できる獣医師であり続けたいと思っております。

当院では、飼い主様とご家族であるペットにとって何が一番大切なのかを一緒に考えながら最善の治療を提供していきます。些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

ほんだ動物病院 ほんだ動物病院 愛媛県松山市余戸西6丁目8−31

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