【あの人の犬ぐらし vol.2】ありのままの君が好き。Note出身の人気作家 岸田奈美さんの「犬ぐらし奮闘記」2

【あの人の犬ぐらし vol.2】ありのままの君が好き。Note出身の人気作家 岸田奈美さんの「犬ぐらし奮闘記」2

#HugQ編集部
      

目次

分離不安かもしれない……? 梅吉くん、ストーカー犬になる

梅吉くんが岸田家にきてまもなく、岸田さんは一人暮らしをされるようになったそうですが、そのとき、梅吉くんに変化はありましたか?

家を出てからは、さらにいろいろありましたね(苦笑)。月に2、3回は実家に戻って梅吉と一緒に過ごすようにしていたのですが、その頃から梅吉の様子がおかしくなって……。
まずは、誰かがそばにいないと吠え続けるようになり、家のあちこちに粗相することが増えました。さらに、私が別の誰かと電話していたり、ぬいぐるみを抱っこしていたりすると嫉妬心からか、怒って吠えるようになってしまったんです。今でも私が実家に帰ると、とにかく私のそばを離れようとしません。トイレやお風呂にまでついてきてしまい、どうしたものかと悩んでいます。

お風呂場で視線を感じた岸田さん、そこには梅吉くんが……

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そういえば以前に一度、動物病院の待合室で、興奮した梅吉が周囲に吠え続けてしまったことがありました。他の飼い主さんやスタッフさんも困ってしまい、最終的に「外で待っていていただけますか」と。もちろん仕方のないことなんですが、あのときは涙が止まりませんでした。トイレなどの基本的なしつけはしてきたものの、もっと梅吉にしてあげられることがあったのかもしれない。「私のせいで、ごめんね」と心の底から思いました。

梅吉くんの変化について、誰かに相談しましたか?

ドッグトレーナーや動物病院でも相談したのですが、解決には至りませんでした。トレーナーさんは「もう7歳だから、これからトレーニングしても……」という反応。もっと早くにいろいろ手を打つべきだったんだなと、改めて感じましたね。

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母は昔から、ダウン症で急に走り出したりパニックになったりする幼い弟を、上手に愛しながらコントロールしてあげていました。周囲の目線に悩んだこともあったはず。でも、いつもまっすぐに弟のことを思っていたんです。そんな母の気持ちが、このとき、少しわかったような気がしました。とはいえ、仕事もあって私は常に梅吉のそばにいてあげることはできません。じゃあ、どうすればいいんだろうと、今も悩みは尽きません。

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当日、取材に立ち会ってくださった岸田さんの母、ひろ実さんは、梅吉が体調を崩すとすぐに飛んでくる岸田さんに「母性を感じる」という。梅吉くんは孫のような存在だと目を細めた

悩みつつも、梅吉くんを大切に思っている岸田さん。犬との暮らしで幸せを感じるときはありますか?

犬を飼っていてすごいなぁと思うのは、どんなにお世話が大変でも、困ったことをする子でも、やっぱり家族みんなを明るくしてくれるところです。昨年、母が再入院して手術したときも、「これから健康になれるんかな」と不安で落ち込んだ母を元気づけてくれたのは、梅吉の動画でした。私がどんなに「大丈夫」というよりも、梅吉が「大丈夫やで~」と言ってくれるほうが、数万倍効果があるんですよね。

動物にも小さな子供にも好かれたことのなかった私を、唯一愛してくれるのが梅吉。だからこそ、私にとって梅吉は本当に大切な存在です。多少の問題行動はありますが、そこにいてくれるだけで十分にかわいいし、愛しい。私に全体重を預けて安心しきって眠っている姿をみていると、それだけで幸せですね。めちゃくちゃ重いときもありますけど(笑)。

梅吉くんが落ち込むひろ実さんを爆笑させた動画はこちらのnoteから →

この子が幸せであるために 頼れる人や場所を増やしていきたい

岸田さんの母、ひろ実さん曰く、「梅吉が体のどこでも触らせるのは奈美ちゃんだけ。特別な存在だと思っているんでしょうね」とのこと

これからはどんな「犬ぐらし」を目指していきたいですか?

これから目指したいのは、梅吉の幸せですね。今は離れて暮らしていますが、どんな環境で過ごすのが梅吉にとって一番いいのか、もう一度考えていきたいと思っています。
それから、人や犬に吠えてしまうこと、留守番ができないことなどは、可能であれば少しずつ改善させてあげたいです。(岸田さんのお悩み専門家からのアドバイスは3ページ目に)

今は母も私もそばにいられますが、母がまた入院したり、私が海外出張に出かけたりすることも将来的にはあるかもしれません。災害などの場合も、大人しくできない梅吉は避難所に入れず、私と二人テントで生き抜くしかない……。今後のことを思うと、梅吉のためにもなんとか克服していきたいところです。

また、梅吉が幸せでいられるためのネットワークづくりもしていきたいですね。
「飼い主が責任をとれないなら、犬を飼うべきじゃない」とおっしゃる方も多いかと思います。もちろんその通りなんですが、どうしようもないことが起こるのが人生。そんなときに、せめて飼っている犬が不幸にならないように、頼れる先を探しておくことは大切だと思います。動物病院、ペットホテル、信頼できる預け先など、予期せぬ何かが起こっても、梅吉が幸せでいられるように、ここから梅吉のためのネットワークづくりにも力を注ぎたいです。

岸田さんのように悩めるオーナーさんたちに、メッセージをお願いします

ペットの悩みは、「しつけられてない飼い主が悪い」と言われてしまいそうで、なかなか言い出せないものです。私も「こんなこと書いたら読者さんに批判されるかもしれない」と思ったこともあります。でも書くと、同じように言い出せない悩みを持った読者さんからメッセージをもらったりして。みんな抱え込んでいるんですよね。

もちろん「責任をもって動物を飼うこと」は大前提ですが、私自身は人に頼ることは決して悪いことではないと思っています。例えば今うちでは認知症が進みつつある祖母の介護を、ヘルパーさんやケースワーカーさんの手を借りながらやっています。それは間違ったことではないと思うんです。家族で面倒を見られれば本当はいいのかもしれませんがそう簡単なことではないし、距離をとっているからこそ良好な関係性を築くことができることもあるはず。

ペットライフについても、クーちゃんが預け先で幸せをつかんだように、本当に困ったときは誰かに相談したり、頼ってみたりすることで開ける道もあるかもしれません。だからこそ、獣医師さん、トレーナーさん、信頼できる友人などに相談し、愛犬が幸せになれる道を模索して、一人で抱え込まないでほしいですね。自分の生活が成り立たないと、愛犬を幸せにすることができません。それを忘れず、自分も愛犬も幸せになれる道を選択してほしいなと思います。

最後に、岸田さんにとってnoteを書くこととは?

しんどいことも多いんですが、それを書いて、誰かが笑ってくれればそれが救いになるなと思って始めたのがnoteでした。書き始めるとたくさんの人が読んでくれるようになって、今は自分が楽しいと思えるから書いていますね。
家族のことを中心に書いているのは、味方をつくるためです。例えば母も、弟も誰かの助けが必要なことが多いんです。彼らが「助けて!」と言ったとき、必ずしも私がそばにいるとは限らない。でも、私のnoteを読んで二人のことを知っている人がたくさんいれば、「OK!すぐに行くね」と誰かが手をさしのべてくれるかもしれません。そういった味方をたくさんつくっておきたくて私は書いています。まだまだ手のかかる梅吉にも、noteを通じてたくさん味方ができるとうれしいです。

 
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