愛猫と暮らしていたら、病気やケガ、加齢などでの投薬は避けては通れないこと。猫の投薬ガイドでは、獣医師の守下 由美子先生に実践を交えて解説していただきました。①基本と飲み薬、②点眼・点耳薬、③塗り薬・予防薬の全3回でお届けします。今回は①基本と飲み薬のポイントや気をつけるべきことについてご紹介します!
①基本と飲み薬は こちら

守下 由美子先生
船橋どうぶつ病院
取材に協力してくれた先生の愛猫ウニちゃん。
名前:ウニ 生年月日:2014年5月
性別:オス 性格:穏やか
既往歴:なし

目次
まずは猫の点眼薬の基本とコツについて解説していただきます!
猫に目薬をさす方法について、守下先生に伺いました。
猫に点眼薬を使うときのポイントは?

点眼薬は、目の感染症や結膜炎などの治療に使用されます。ただし、猫は顔を触られるのを嫌がる子が多いため、できるだけリラックスした状態で、素早く点眼することが重要です。
猫に目薬をさす方法を教えてください

猫の目薬をスムーズにさすためには、次のステップを意識しましょう。
<点眼薬の正しい使い方>
1. 猫をタオルなどで包み、動きを抑える
2. 目の周りを軽く拭いて汚れを取り除く
3. まぶたを優しく持ち上げ、後ろから点眼する
4. 点眼後は目をこすらせないようにする
正面から点眼しようとすると猫が怖がるため、できるだけ後ろからそっと点眼してあげるのがコツです。
目薬を嫌がる場合の対策は?

猫が点眼薬を嫌がる場合は、タオルで包んで保定する、冷蔵保存の目薬は少し室温に戻してから使うなどの工夫をすると良いでしょう。また、点眼後すぐにご褒美をあげると、少しずつ慣れてくることが多いです。
点眼薬は液状タイプ以外にもあるのでしょうか?

一般的に想像するのは液体のものだと思いますが、眼軟膏タイプのものもあります。難易度はそこまで液体タイプと変わりません。猫にとっては違和感が残ると思います。カーペットに擦り付けたり、引っ掻いたりして、本来の治療以外の傷がついてしまうこともあるので、心配な場合はかかりつけの動物病院に相談してください。ただ液体タイプよりも投与する回数は減るので、そういった意味では管理がラクになると思います。
どうしても嫌がる場合はどのように対策すれば良いですか?

事前に普段使っている毛布やネットでくるんであげると落ち着く子もいます。また床やソファなどの上だと、猫にとって自由な空間なので逃げられてしまうこともあるんですよね。ちょっと高さのある台や、普段乗らないところに乗せるとやりやすくなることもあります。
猫の点耳薬の基本と注意点についても解説していただきました!
次に、猫の耳の病気やケアに使う点耳薬。について、守下先生に聞いてみました。
猫に点耳薬を使うシチュエーションは?

猫に点耳薬をさす方法を教えてください

点耳薬をしっかり効かせるには、耳の構造を理解し、適切に薬を入れることがポイントです。
<点耳薬の正しい使い方>
1. 耳の中の汚れを軽く拭く
2. 耳をめくり、耳の穴が見えるようにする
3. 薬を適量入れ、薬が浸透するように優しくマッサージする
4. 薬が飛び散らないよう、少し落ち着かせる
耳の奥にしっかり薬を届けるため、薬を入れた後に優しくマッサージすることが大切です。また耳はデリケートな部分なので、ケアするときは注意が必要です。耳介(三角形に立って、前方に開いている部分)は綿棒でも良いのですが、基本的にはコットンのように柔らかいものでやるようにしてください。
点耳薬を嫌がる場合の対処法は?

猫は耳を触られるのを嫌がるため、投薬時にはタオルで包んで安定させることをおすすめします。点眼薬と同様に終わった後にご褒美をあげると、少しずつ慣れてくることが多いです。
猫の点眼や点耳は素早く投薬しご褒美をあげる。がポイント!
今回は点眼・点耳薬のポイントや気をつけることについてご紹介しました。一度嫌な思いをすると、次回から投薬するのが難しくなるため、ご褒美で良い思い出にすることがポイントでした。どうしても解決できないときには、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
次回は「猫の投薬ガイド|③塗り薬・予防薬のポイント」です!軟膏や予防薬のポイントや気をつけることについて、守下先生に解説していただきます。
取材にご協力いただいた病院
③塗り薬・予防薬のポイントもチェック!