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猫の投薬ガイド①基本と飲み薬のポイント【獣医師監修】

猫の投薬ガイド①基本と飲み薬のポイント【獣医師監修】

 
守下 由美子
船橋どうぶつ病院
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愛猫と暮らしていたら、病気やケガ、加齢などでの投薬は避けては通れないこと。猫の投薬ガイドでは、獣医師の守下 由美子先生に実践を交えて解説していただきました。①基本と飲み薬、②点眼・点耳薬、③塗り薬・予防薬の全3回でお届けします。今回は①基本と飲み薬のポイントや気をつけるべきことについてご紹介します!

プロフィール
守下 由美子 先生

守下 由美子先生

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、東京都内の動物病院に勤務し、内科・外科診療に従事。2010年から2011年にかけて日本獣医生命科学大学外科学教室にて眼科研究生として学び、専門的な知識を深める。 幼い頃から犬や猫がそばにいることが当たり前の環境で育ち、獣医師としてだけでなく、ペットオーナーとしての視点も大切にしている。ペットオーナーの気持ちに寄り添いながら、病気の治療や予防はもちろん、日々のケアや生活の悩みなども気軽に相談できる存在を目指す。どんな些細なことでも安心して相談できる先生。
船橋どうぶつ病院

取材に協力してくれた先生の愛猫ウニちゃん。

名前:ウニ 生年月日:2014年5月
性別:オス 性格:穏やか
既往歴:なし 

うにちゃん

目次

まずは猫に投薬するときの基本的なポイントを聞いていきましょう!

イメージカット

まずは基本的な投薬のポイントを守下先生に聞いてみました。

投薬が必要になるシチュエーションはいつですか?

獣医師 守下 由美子先生

猫に投薬が必要となるタイミングは、病気の予防や治療、手術後のケアなどがあります。

・病気の治療(感染症・アレルギー・腎臓病など)
・予防薬の投与(フィラリア・ノミダニ予防)
・術後のケア(痛み止め・抗生物質)

猫は警戒心が強いため、投薬に対して強く抵抗する子も多いです。できるだけ負担を減らし、スムーズに投薬できる工夫が大切です。

薬の種類と特徴を教えてください

獣医師 守下 由美子先生

内服薬としてカプセルや錠剤、粉剤、液体薬があり、外用薬として軟膏や点眼、点耳薬があります。猫の場合、薬の味や匂いに敏感なため、飲み薬を与える際には工夫が必要です。

飲み薬のイラスト

飲み薬のイラスト

投薬時にペットオーナーが気をつけることも聞いていきましょう!

インタビューカット

投薬時にペットオーナーが気をつけることはありますか?

獣医師 守下 由美子先生

猫は環境の変化や飼い主の緊張を敏感に察知します。ペットオーナーが焦ると、猫も警戒してしまうため、できるだけ落ち着いた状態で投薬してあげましょう。

投薬の前後に遊びやおやつを取り入れることで、ストレスを和らげることができます。ただし、猫は犬のようにしつけで克服するのが難しいため、できるだけ素早く、ストレスの少ない方法で投薬することが重要です。

なるべく投薬時にストレスをかけない方法はありますか?

獣医師 守下 由美子先生

猫の場合、味や匂いに敏感なので、薬の匂いを感じるとすぐに拒否してしまうことがあります。猫は一度嫌な思いをすると、その経験を長く記憶する傾向があります。できるだけスムーズに、短時間で投薬を終えることが大切です。

気をつけていても嫌な思い出になってしまったら?

獣医師 守下 由美子先生

次回以降の投薬は、どうしても難しくなってしまいます。ただし、引き続きなるべくストレスをかけない方法を選び、短時間で終わらせることが大切です。また投薬後に大好きなおやつをあげるなどして、できるだけポジティブな経験になるよう工夫してみてください。

どんなに工夫をしても飲まないときは、どうしたらいいですか?

獣医師 守下 由美子先生

どうしても投薬が難しい場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。粉剤や液剤に変更できることもありますし、投薬の方法についてアドバイスを受けることもできます。

また、錠剤をすりつぶして粉状にするピルクラッシャーを使うことで、与えやすくなる場合もあります。ただし、薬によっては潰してはいけないものもありますので、必ず獣医師に相談してください。

投薬後、何か違和感があった際に動物病院へ相談するタイミングはいつが良いでしょうか?

獣医師 守下 由美子先生

愛猫が嘔吐や下痢、食欲不振などをして、ちょっとでもいつもと違うな?。って思ったら、できるだけ早めに相談してもらうのが一番です。お薬を出した場合でも、3日続けて飲んでも効果がなければ、一度診せてもらうのが安心ですね。

猫ちゃんは通院自体がストレスになることが多いので、頻繁に病院に行くのが逆に負担になることもあります。だから、連れて行った方がいいのかな?。って迷う時は、まず電話で相談してもらうと良いと思います。できるだけ猫ちゃんの負担が少なくなるような方法を、一緒に考えられたらなと思っています。

続いては飲み薬編。
投薬方法やペットオーナーさんが気をつけることを聞いてみましょう!

飲み薬についてお話しする守下先生

猫に飲み薬を与える方法を教えてください

飲み薬についてお話しする守下先生

投薬補助グッズやおやつを使うのがスムーズです。猫は食に対して慎重な子が多いですが、好みの味に混ぜると比較的スムーズに与えられることがあります。

<おすすめの投薬補助グッズ>
・投薬用のペースト状おやつ(薬を練り込んで与える)
・投薬器(ピルガン)(直接口の奥に押し込む)
・ピルクラッシャー(錠剤を粉状にする)

<おすすめのご飯・おやつ>
ウェットフード
ペースト状のおやつ

猫は味や食感にこだわりが強いため、好きな食べ物と一緒に与えると成功しやすいです。ただし、すべての猫に通用するわけではないので、様々な方法を試してみてください。

<直接手で与える場合>

レントゲン写真猫に手で投薬するときはまず頭を後ろから押さえる

レントゲン写真素早く口の奥に飲み薬を入れる

<投薬器を使う場合>

レントゲン写真投薬器で与える際には、先に口を開ける

レントゲン写真その後素早く投薬器を挿入して投薬する

どんなに工夫をしても飲まないときは、どうしたらですか?

飲み薬についてお話しする守下先生

おやつに包んでも錠剤だけ出してしまう場合は、一度かかりつけの獣医師さんに相談してみてください。粉剤や液剤に変更できる場合もあります。またピルクラッシャーといって錠剤をすりつぶせる器具を使用して粉剤状にもできます。ただし薬を腸まで届けたい場合もあるので、いずれにしてもかかりつけの獣医師に相談してみてください。

猫の投薬は「短時間でスムーズに」が基本

ちゅーるを食べているウニちゃん

今回は投薬の基本と飲み薬の与え方について、守下先生に解説していただきました。
猫にとって投薬はストレスになりやすいため、できるだけ短時間でスムーズに終わらせることがポイントでした。どうしても解決できないときには、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

次回は「猫の投薬ガイド②塗り薬・点眼・点耳薬のポイント」です!

点眼、点耳薬の投薬方法や注意点について、守下先生に解説していただきます。お楽しみに!

取材にご協力いただいた病院

 

猫の投薬ガイド②点眼・点耳薬のポイントもチェック!

千葉県 船橋市
守下 由美子
船橋どうぶつ病院
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麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、東京都内の動物病院に勤務し、内科・外科診療に従事。2010年から2011年にかけて日本獣医生命科学大学外科学教室にて眼科研究生として学び、専門的な知識を深める。幼い頃から犬や猫がそばにいることが当たり前の環境で育ち、獣医師としてだけでなく、ペットオーナーとしての視点も大切にしている。ペットオーナーの気持ちに寄り添いながら、病気の治療や予防はもちろん、日々のケアや生活の悩みなども気軽に相談できる存在を目指す。どんな些細なことでも安心して相談できる先生。

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