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犬のおしっこが臭い理由とは?おしっこのニオイの変化や尿検査で早期発見できる病気も解説【獣医師 監修】

犬のおしっこが臭い理由とは?おしっこのニオイの変化や尿検査で早期発見できる病気も解説【獣医師 監修】

 
梨本 知枝子
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「おしっこは健康のバロメータ」といわれるほど、体調や病気をチェックするために役立ちます。特におしっこのニオイや色などの変化で、病気を早期発見することも可能です。飼い主さんが知っておきたいおしっこの変化や動物病院を受診するタイミング、尿検査の受け方などをシュシュどうぶつ病院院長・梨本知枝子先生にうかがいました。

プロフィール
獣医師 梨本知枝子 先生

梨本知枝子 先生

シュシュどうぶつ病院 院長。 2004年に麻布大学獣医学部卒業後、町田市、相模原市、横浜市を中心に小動物の臨床に携わり、同大学付属動物病院の眼科専科研修医を経て、2017年にシュシュどうぶつ病院を開院。「動物たちが病気になってしまう前に、できるだけ予防していくことが大切」と考え、健康管理はもちろん小さな困りごとにも対応。毎年2月にはおしっこの病気の予防のための啓蒙も行っている。プライベートでは、うみちゃん(猫)とChuChuちゃん(犬)と暮らしている。

 

目次

犬のおしっこの病気に気づくためのサイン

犬のおしっこのニオイがいつもと違う原因は?

尿の変化をチェックするイメージ

獣医師 梨本知枝子 先生

犬のおしっこのニオイが変化する原因は大きく分けて6つです。いつもと違う変化に気づける程度にはニオイを把握しておきたいですね。

おしっこのニオイが変化する原因

  • (1)おしっこの病気のサイン…甘いニオイ
  • (2)飲水量の不足…ツンとする強いアンモニア臭
  • (3)食事・飲水・おやつの影響
  • (4)摂取している薬・サプリメントの影響
  • (5)オスの前立腺の病気や去勢手術の有無(※男性ホルモンの影響で手術前はアンモニア臭が強く、手術後には弱まる/※未去勢の場合はアンモニア臭が強い)
  • (6)メスの子宮の病気や発情時期のサイン

注意しておきたいおしっこの病気とニオイの関係を教えてください。

獣医師 梨本知枝子 先生

まずは犬の泌尿器の構造を知っておきましょう。おしっこができるしくみは人と同じで、腎臓で血液の老廃物や余った水分をろ過して作られ、尿管を通って膀胱に溜められ、尿道から排泄されます。

Pointおしっこに異変がみられる病気

※おしっこのニオイだけでなく、血尿や膿が出るほか、尿量や排尿回数なども変わることがあります。

  • 尿結石症
    ・ストルバイト結石
    ・シュウ酸カルシウム結石
  • 膀胱炎
    ・細菌性膀胱炎
    ・尿路結石症や腫瘍が原因の膀胱炎
  • 代謝異常の病気(全身性疾患によるもの)
    ・甲状腺機能低下症
    ・糖尿病
    ・クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
    ・肝臓病(黄疸)
  • メスの生殖器の病気
    ・子宮蓄膿症
  • 全身性感染症
    ・レプトスピラ症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
  • 中毒
    ・玉ねぎ中毒

おしっこのニオイに異変が起きやすい犬種や個体の特徴は?

インタビューカット

獣医師 梨本知枝子 先生

おしっこの病気の中でも尿結石症は、比較的若い犬、犬種では柴犬やシー・ズーに目立つ印象があります。また、ミネラルが多すぎる食生活の影響もあります。たとえば飼い主さんが自分のアイスクリームやチーズを分けたり骨や煮干しを与えすぎたりして、おしっこの病気につながっているケースです。ミネラルウォーターの種類によっても病気のリスクになるため、水分補給は浄水器を通した水道水が無難です。

遺伝的に尿結石症(シュウ酸カルシウム結石)が起きやすいのがミニチュア・シュナウザー、特殊な尿酸アンモニウム結石ができやすいのがダルメシアンです。これらの犬種の飼い主さんはおしっこのチェックに気を配ってください。

おしっこのニオイ以外の症状と
動物病院を受診する流れ

飼い主がおしっこのニオイをチェックして病気かどうか判断できますか?

インタビューカット

獣医師 梨本知枝子 先生

おしっこのニオイだけでは難しいので、ニオイに加えて異変があったら早めに動物病院を受診してください。ニオイはちょっとおかしいけれど元気で食欲もあるなら、一時的な水分不足の可能性もありますが、異変が2つ以上あるなら深刻な病気を発症しているケースが多いと思います。

Checklist受診の目安になるチェック項目

  • □ おしっこのニオイ(+以下、追加で異変があるもの)
  • □ おしっこの色
  • □ おしっこの量
  • □ 排尿の回数
  • □ 排尿の時間(例:排尿の体勢になってから出るまで時間が長い/チョロチョロと少しずつしか出ない)

命に関わるような危険なおしっこのサインはありますか?

獣医師 梨本知枝子 先生

おしっこが1滴も出ないときは、尿道閉塞の可能性があります。膀胱からの出口に結石や腫瘍などが閉塞しておしっこがでなくなる病気です。尿道閉塞は、急性腎不全となり命に関わる緊急事態です。

近年、心配されているのは、マダニに刺されることにより感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やレプトスピラ症です。どちらも人獣共通感染症で、愛犬はもちろん飼い主さんの生命にも危険が及ぶ疾患です。犬が発症した場合は、発熱や元気がないだけでなくおしっこが濃いオレンジ色になります。貧血や嘔吐を起こすタマネギ中毒も、おしっこが褐色に変わるのでわかりやすいと思います。

動物病院を受診するときに持っていくものを
知っておきたいのですが…

獣医師 梨本知枝子 先生

保存容器に入れたおしっこがあると、獣医師には一番わかりやすく、速やかな診断の助けになります。犬の採尿はトイレシートを裏返して排尿させて保存容器にいれる方法がおすすめ。排尿のタイミングで紙コップなどに入れてもいいでしょう。

時間が経つと細菌が繁殖してしまうので、採尿から3時間以内に持ってきてくださいね。夏場は冷やしておいたほうが正確な結果が出ます。おしっこの持参が難しい場合は、おしっこがついたトイレシート、おしっこの写真、排尿中の動画などでもかまいません。

動物病院で行うおしっこの検査について教えてください。

尿検査のイメージ

獣医師 梨本知枝子 先生

飼い主さんが持参した自然採尿のおしっこでひととおりの検査は可能です。犬にも痛みがないのでおすすめです。さらに詳しく検査する場合は、尿道からカテーテルを入れたり、穿刺(せんし)(針を刺す行為)をしたりして膀胱から採尿します。

Point尿検査の種類

  • ・尿比重検査…尿の成分や濃度から腎臓の機能を調べる
  • ・pH検査…尿の酸性・アルカリ性の状態を調べる(犬は弱酸性のpH6~6.5)
  • ・顕微鏡検査…尿を遠心分離機にかけて沈殿物から血尿や膿の有無を調べる
  • ・細菌培養検査…細菌を培養して原因を調べる(有効な抗生剤を特定する)

犬に多いおしっこの病気の治療法は?

インタビュ―カット

獣医師 梨本知枝子 先生

(1)細菌性膀胱炎
抗生剤を1週間から10日、ときには2週間ほど服用します。薬を飲み始めてから2、3日で症状が消えることが多いものの治ったわけではないので、途中で薬をやめてしまうと症状が再発したり耐性菌(抗生剤が効きにくい菌)を作ったりする原因に。症状がなくなったように見えても処方された薬は必ず飲み切ってください。場合によっては食事療法も並行して行います。

(2)尿結石症
ストルバイト結石は食事療法が重要です。食事で体調を管理できれば薬を飲ませなくて済むので、犬にとって負担が少ない方法です。シュウ酸カルシウム結石は飲水量やミネラル量に気をつけながら管理します。

(3)慢性腎臓病
おしっこの色がうすくなったり、量が多くなったりするなどの症状が出ている場合は、ステージ2以上の段階と考えられます。血液検査や画像検査など複数の検査を併用し、早期診断につなげることができれば、食事療法や治療によって健康寿命を延ばすことができます。

犬のおしっこの病気について詳しく知りたい方は 【こちら】
犬の腎臓病について詳しく知りたい方は 【こちら】

日常生活の中で始めるおしっこの健康管理

先生の愛犬ChuChuちゃん
先生の愛犬ChuChuちゃん

愛犬が水をあまり飲みません。のどが渇いていないんでしょうか?

獣医師 梨本知枝子 先生

自宅で飲水量が少ない場合は、ウェットフードに変えたり温めてみたりしてみましょう。水分補給のために犬用ミルクなどは混ぜないほうがいいですね。外出先や人目がある場所の場合は、緊張して水を飲まない犬もいるので、リラックスできるところに移動して飲ませてみましょう。たとえば公園の隅や自家用車の近くなどです。

室内ではおしっこを我慢してしまいます……。

獣医師 梨本知枝子 先生

排尿までの時間が長くなると膀胱内で細菌が繁殖し、膀胱炎のリスクが上がります。病気の予防のために、少なくとも6時間に1回は排尿の機会を作ってください。お家の中で排泄しやすい環境作りをしてあげることも大切です。人の視線が気になりにくい部屋の隅っこにトイレを設置したり、寝床や食器から離した場所にトイレを設置するのがよいでしょう。

特に住宅街などでは、散歩中の排尿がマナー違反になるケースも多いので、自宅で排尿できるようにトイレトレーニングを始めましょう。

トイレトレーニングについて詳しく知りたい方は 【こちら】

家庭でできるおしっこの健康チェックについて知りたいです!

獣医師 梨本知枝子 先生

愛犬のおしっこのニオイや色をチェックするには、無香タイプで白色のトイレシートがベストです。ペット用品メーカーによって吸収の具合が変わるので、いつも同じメーカーのシートを使えば、おしっこの広がり方を見て量や回数もチェックできると思います。

おしっこのニオイをじっくり嗅ぐのに抵抗がある場合は、飼い主さん自身のおしっこのニオイと比べてみてください。犬の食性は人に近い雑食なので、実はおしっこのニオイも似ています。自分のおしっこのニオイと大きく違うと思ったら、病気などのサインかもしれません。

梨本先生からのメッセージ

おしっこは健康のバロメータ。尿検査で病気を早期発見しよう

冬季は飲水量や排尿回数が減り、膀胱炎になりやすい季節です。たとえ病気ではなくても、食生活などを改善するきっかけになり、将来の病気を予防する機会にもなります。

また、高齢になると増える慢性腎臓病は尿比重の低下やタンパク尿の出現が早期のサインになるので、尿検査をすれば血液検査より早く発見できるのがメリット。飼い主さんが気づいていなかった病気の予兆を見つけられたとき、尿検査の大切さをお伝えしてきてよかったと思います。みなさんもぜひかかりつけの獣医師に相談してくださいね。

獣医師 梨本知枝子 先生

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