「みんな幸せ、それが一番!」 スコティッシュフォールドのチャコちゃん、サモエドのアグちゃんと暮らす、つるの剛士さんが知りたい毎日のペットケアとは (前編)

「みんな幸せ、それが一番!」 スコティッシュフォールドのチャコちゃん、サモエドのアグちゃんと暮らす、つるの剛士さんが知りたい毎日のペットケアとは (前編)

  • つるの剛士
  • 中村 篤史
      

「ペットのお悩み相談室」は、オーナーからの質問に獣医師が直接お答えするコーナー。毎回さまざまなオーナーゲストをお招きし、ペットとの暮らしについての心配事をお話していただきます。
第二回のゲストは、タレントのつるの剛士さん。愛猫チャコちゃん(スコティッシュフォールド/12歳/女の子)、愛犬アグちゃん(サモエド/8歳/女の子)のオーナーであり、5人のお子さまのパパでもあるつるのさんは、現在、大家族の暮らしをおおいに楽しんでいるといいます。
つるのさんからの質問に回答していただくのは第一回「お悩み相談室」(安田美沙子さん編)にも登場していただいたTRVA夜間救急動物医療センター院長の中村篤史先生。救急医療の現場において、重い病気の動物たちと日々対峙し、細やかな観察力と冷静な判断力でたくさんの命を救ってきました。一方で、オーナーの経験もお持ちの中村先生。つるのさんのお悩みに、獣医師としてはもちろん、オーナーの目線も取り入れたリアルなお答えをいただくことができました。

プロフィール

つるの剛士さん

タレント・歌手・俳優。積極的に育児に関わる男性「イクメン」の代表的な存在。二男三女の父親であると同時に、愛猫チャコ(スコティッシュフォールド)、愛犬アグ(サモエド)とともに暮らすペットオーナー。現在、幼稚園教諭免許、保育士資格の取得に向けて猛勉強中。趣味も幅広く多彩な才能の持ち主。

愛猫チャコちゃん

スコティッシュフォールド 12歳 女の子。以前、つるのさんが深爪したことを覚えており、今では長女にしか爪を切らせてくれない。アグが同じフロアにいるときは、家の中を歩き回らず、アグの手が届かないケージの上を定位置にして静かに過ごしている。

愛犬アグちゃん

サモエド 8歳 女の子。つるのさんから「アグオ先生」の愛称で呼ばれている。子犬の頃に1年間、訓練学校でしつけを受けており、指示には素直に従う穏やかな性格。散歩が大好きで、チャームポイントはいつも出ている舌。シベリア原産の犬種だけに夏は苦手。

プロフィール
広島県広島市生まれ。北里大学獣医学科卒業。2006年に東京大学附属動物医療センター、2008年に酪農学園大学附属動物病院(北海道)で研修医として勤務。その後、勤務医経験を経て、2011年にTRVA夜間救急動物医療センターの開院とともに院長に就任。業務の傍ら講演活動も精力的に行い、2019年には日本獣医救急集中治療学会の設立に参加し理事長を務めるなど、日本に動物の救命救急分野を根付かせようと尽力している。2021年、TBS『情熱大陸』に出演。

中村 篤史 先生

12歳の愛猫チャコと、まもなくシニア期を迎える愛犬アグ。毎日の暮らしの中で “実は気になっていたこと”、聞いてもいいですか?

猫オーナー歴28年以上のつるの剛士さん。引っ越しをきっかけに、初めて犬のアグを迎えるも……

中村先生

はじめまして。TRVA夜間救急動物医療センターで院長をしている中村です。今日はどうぞよろしくお願いします。つるのさんは、現在チャコちゃんとアグちゃんと一緒に賑やかな暮らしをしているということですが、これまでは、どのような動物と暮らしてきたのですか?

つるのさん

こちらこそ、よろしくお願いします。僕が最初に飼ったペットは、高校を卒業してすぐの頃に友達からもらった猫でした。幼い頃から、動物も昆虫も、生き物は全部大好きだったんですが、父が転勤族で、社宅だったのでずっと我慢してきたんです。なんとか両親を説得して猫を飼ってからは、ずっと猫や他のペットと暮らしていますね。独身時代から、先代猫のユメコを飼っていましたし、一昨年まではフトアゴヒゲトカゲを12年間飼育していたんですよ。

中村先生

猫ちゃんとは、高校を卒業してから現在までずっと一緒に暮らしてきたんですね。その中で、8年前に初めて犬のアグちゃんを迎えたのは、何かきっかけがあったのですか?

つるのさん

今の家に引っ越したときに、広くなったので犬を飼おうと思ったんです。タイミングよく、「サモエドの赤ちゃんが生まれるけど飼いませんか?」と知人から声がかかり、よろこんで見に行ったら可愛くて。当時は5人目の子どもをなかなか授かることができない時期だったので、子どもに付けようと思っていた「あ」で始まる名前を付けて、我が家に迎えることにしました。今はチャコもアグも大人からシニア期になってきて、暮らし方や健康について悩むことが増えたので、今日はいろいろと相談させてください!

中村先生

ぜひ何でも話してください。つるのさんとアグちゃん、チャコちゃんがこれからも安心して楽しく暮らせるよう、獣医師としてアドバイスできればと思います。

愛猫・愛犬の体調や気持ちを日々察している、つるの剛士さん。病気予防に役立つオーナーの視点とは?

オーナーだからこそわかる「いつもとの差」が、健康チェックの最重要ポイントです!

つるのさん

普段、僕がチャコやアグの体調をチェックするときに、確認しておいた方がいいポイントはありますか?ふたりとも元気そうにしているので、ついつい安心してしまうのですが。

中村先生

オーナーさんが家でペットの健康チェックをするときは、「いつもと違う」仕草や行動がないかどうかを見ていただくのが大事です。つるのさんは、普段チャコちゃんやアグちゃんのどんなところを見ていますか。

つるのさん

アグもチャコも大事な家族ですが、話すことができないので、言葉以外の情報を集めて、相手のことを察するように心がけています。例えば、感情を知りたいときは表情や仕草を見るし、体調を知るためには食事やおしっこの様子などを見ています。言葉以外で情報を交換する力と、相手に寄り添う力は、“生き物同士”として、本来忘れてはいけないものだと僕は思っているんです。だから、一緒に暮らす中で、チャコやアグのことをよく見て、察して、寄り添っていくことをいつも大切にしていますね。

中村先生

すばらしい視点ですね。オーナーさんがペットのことを普段からよく見て、情報を集めておけば、「何かがいつもと違う」という違和感があったときにすぐ気づくことができます。そのオーナーさんの直感的な気づきは、病気の予防や早期発見において、とても大切なもの。たとえどんなに病気に関する知識を持っていても、ペットの違和感を察知する力がないと手遅れになることもあるんです。だからこそ、ペットの普段の行動や状態を把握しておき、「いつもと違う」ことがないか確認する視点は、健康チェックにおける最重要ポイントです。

病気のときに獣医師が見る「呼吸」、「心拍数」、「意識状態」。家ではオーナーさんも確認を。

つるのさん

なるほど。これからもチャコやアグのことをよく見て、察していこうと思います。ちなみに、獣医師さんは、診察のときにどんなところを診ていらっしゃるんですか?

中村先生

救急の獣医師が注意して見ているのは「呼吸」、「心拍数」、「意識状態」ですね。この3つは動物たちの状態を把握するときにすごく重要なんです。「呼吸」「心拍数」「意識状態」は、オーナーさんから見ても「これはいつもと違う、おかしい」とわかるものなので、ぜひ知っておいてほしいポイントです。
僕たち獣医師も、動物とは言葉で伝え合えないので、仕草や行動、状態の変化を見て、病気や治療法を考えます。普段からずっとその視点で接されてきたつるのさんは、チャコちゃんやアグちゃんと精神面も体調面もわかり合える、すばらしい関係性を築かれているのではないでしょうか。

つるのさんが知りたい! ペットのケアのコツ <関わり方編>

お悩みテーマ1

仲良くできない、猫のチャコと犬のアグ。ストレスなく一緒に暮らすために注意したほうがいいことはありますか?

中村先生

先住猫のチャコちゃんと、犬のアグちゃんは、実はあまり仲良くなれていないと聞きました。

つるのさん

そうなんです。チャコはアグと相性が悪く、普段はアグの届かないケージの上でじっとしています。チャコはすっかりそこが気に入って、毎日幸せそうに寝ていることが多いですね。チャコは犬が嫌いなわけではなく、他の犬とは仲良くなるんです。でもアグだけは受け入れない……。アグはアグで、チャコが地面に降りてきたら寄っていくものの、今はもう遊ぶのを諦めている感じですね。僕はもっと仲良くしてほしいと思っているんですが……。

中村先生

チャコちゃんはアグちゃんが家に来たときに、家族の注目がアグちゃんに移って嫉妬してしまった可能性はありますね。アグちゃんはアグちゃんで、先住ペットに対するジェラシーがあったのかもしれません。今の関係ができてから7、8年経つので、これから仲良くなるのは正直なところ、少し難しいのかなと思います。できれば、居住スペースを一階と二階などに分けて、家の中にそれぞれが落ち着ける場所を作ってあげると、お互いにストレスなく過ごせるのではないでしょうか。

つるのさん

うちはふたりとも一階にいるんですけど、床の方にはアグ、ケージの上にはチャコ、と別々のゾーンに分かれて、それぞれで過ごしていますね。今やチャコは完全に自分の世界を作り上げていて、アグも干渉しないので、アグに対するストレスも全くないと思います。チャコの寝ている姿は本当に幸せそうで、羨ましいくらいですよ。

(写真Instagramより)2021年11月30日の投稿

中村先生

家の中にピリピリした雰囲気がないのはいいですね。

つるのさん

そうなんです。ふたりとも全くピリピリしていないし、それぞれ幸せそうで。実は僕も、仲良くなれなくてもストレスなくできているなら、もうこれでいいのかな、という気もしています。

お悩みテーマ2

太ってきた12歳のチャコちゃん。何か対策をしたほうがいい?

つるのさん

チャコはアグがいると移動しないので、運動ができないんです。最近だんだん太ってきてしまい、健康面では少し心配しています。

中村先生

チャコちゃんが太ってしまってから、何かダイエットをさせたり、生活面で意識して変えたりしたことはありますか? 例えばアグちゃんが届かない場所にキャットウォークを設置して運動させることも一つの手段として挙げられるかと思いますが……。

つるのさん

なるほど。僕もあまりにチャコが移動しないので、抱っこしてあちこち連れて行ってみたり、キャットウォークも検討してみたんです。でも、思いのほかチャコは嫌がるし、なかなかうまくいかないんですよね。
体のケアに関しては、目ヤニが出ていたら動物病院に連れて行ったり、爪が伸びていたら長女に切ってもらったりと、こまめにやっているんですが、運動に関しては、チャコ本人がこのままでいいと言い張るようなら、見守るのもありかなと。それもありですかね?

(写真Twitterより)2019年2月2日の投稿/お気に入りの場所でくつろぐチャコちゃん

中村先生

チャコちゃん自身が幸せそうで体調も良いのなら、無理をさせずに見守る、という大らかさはいいと思いますよ。僕もオーナーだったので共感できるのですが、いろいろと知識を詰め込んで病気のことばかり考えているとしんどくなりますよね。日ごろからきちんとオーナーさんが見ていて、その子が元気ならば、一緒の時間をのんびり楽しんでください。でも、もし「いつもと違う」と感じる行動や仕草が見られたときには、早めに獣医師へ相談することを忘れないでくださいね。

つるのさん

そうですね。これからもチャコがストレスを感じずにできることがないか考えつつ、しっかり見守ります。気づいたことがあれば、早めに獣医師さんへ相談するようにします。

お悩みテーマ3

健康診断を嫌がるチャコちゃん。それでもどうにかして連れて行くべき?

つるのさん

実はチャコはほとんど動物病院に行ったことがありません。年1回くらいは健康診断に行った方がいいのかなとは思うのですが、どうしても嫌がるので、連れて行っていないんです。やはり健康診断くらいは動物病院で受けさせたほうがいいんですかね?

中村先生

すんなりキャリーに入って病院に来てくれる子は、ぜひ健康診断に来てほしいです。でも、泣き叫ぶ子を無理やり捕まえて健康診断に連れて行くということまでは、しなくてもいいかもしれませんね。とくに、猫はストレスを受けやすいので、元気に過ごしているのであれば、無理をさせないほうがいいと思います。ただ、その分、飼い主さんが普段の様子をしっかり見ておいてあげてくださいね。そして、食欲や便の状態、尿の回数、飲水量の変化など細かな体調の変化に気づいて、必要があればすぐに動物病院を受診することが大切です。

つるのさん

そうですね。普段から気を付けるようにしておきます。体調不良で受診する目安のようなものはありますか?

中村先生

ペットの体調を見極めるカギは、「普段との差」です。例えば「いつもより」おしっこの量が多いとか、「いつもは」こう歩いていたのに今日は全然歩かないとか、「いつもは」全部食べたのに、今日は70%くらいしか食べない、など。「いつもと違う」行動のパターンや仕草が見られたときには、一度受診してもらえると安心です。
下痢や嘔吐などの症状が出たときはもちろんですが、普段と行動が変わったときにも、ぜひ診察に連れてきてくださいね。

つるのさん

ありがとうございます。これからもチャコとアグの心身を察して、寄り添いながらも、「いつもと違う」行動や仕草に気づいたときには、動物病院を受診して健康を守っていきたいと思います。

つるの剛士さんのお悩み相談室、前編はつるのさんとアグちゃん、チャコちゃんとの大らかな暮らしぶりや、関わり方の中で気がかりだったことをお話いただきました。中村先生は、獣医師としてその悩みにお答えするとともに、つるのさんのアグちゃん、チャコちゃんへの接し方については「すばらしい!」と感心される場面も。日ごろからよく観察し、心身の状態を察しようとする視点は、ペットの健康を守るうえで一番大事なもの、と中村先生も太鼓判を押していました。

中・愛犬編では、8歳になるアグちゃんについての悩みを相談していただきます。シニア期に足を踏み入れるアグちゃんの健康について、心配ごとが増えてきたつるのさん。その疑問に、次回も中村先生がわかりやすく回答してくださいます。ぜひお楽しみに。

つるの剛士さんが知りたい「 中・愛犬編 」

 
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