Vet’s Advice! 猫の皮膚アレルギー 前編

Vet’s Advice! 猫の皮膚アレルギー 前編

神田 聡子
      

しきりに体を舐めたり掻いたりしていても「いつものグルーミング(毛づくろい)かな?」と見過ごしやすい猫のアレルギー性皮膚炎。気づいたときには、“ハゲ” ができていたり、重症化していたりするケースも多いのだとか。いざ投薬治療を始めても「薬を飲んでくれない」、「療養フードを食べてくれない」など、一筋縄ではいかないのが猫の皮膚治療……。
そこで今回の「Vet’s Advice」では、猫の気持ちを知り尽くした皮膚科医の神田先生が登場! 猫の皮膚アレルギーや、猫にストレスを与えない治療のコツなど、普段の診察ではなかなか聞けないオーナーさんのギモンや質問に、ずばりお答えします!

プロフィール

神田 聡子 先生

麻布大学獣医学部卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科大学院在籍中に慶應義塾大学医学部遺伝子医学研究室で皮膚のバリア機能について専門的に研究。日本獣医皮膚科認定医として全国の動物病院で出張診療を行っている。自身も猫が大好きで、学生時代から17年間、相棒のように暮らしてきた愛猫亡き後、近年、友人からもらい受けた黒猫「クロミちゃん」を家族に迎えている。猫愛にあふれる神田先生の診療モットーは「猫の気持ちが第一!」。

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かゆかゆアレルギー改善&予防のヒケツ。
ずばり教えて、神田先生!

うちの猫は1日中毛づくろいをしています。アレルギーなのかどうか、どうやって見極めたらいいですか?

毛づくろい、グルーミングは猫の習性なので、アレルギーによるものなのかどうか見極めるのは確かに難しいですよね。ただ、早く気づいてあげるために毎日してあげてほしいのが、『猫とのスキンシップ』。猫の体をくまなくなでたり触ったりすることで、今までなかったところに脱毛やハゲを見つけることができます。

また、こんな症状や行動が気になる場合は、アレルギー性皮膚炎の可能性が高いです。早めに獣医師さんに診てもらいましょう。

CHECK LISTチェック項目

  • 舐めすぎてハゲができている。
  • 掻きすぎて傷やただれができている。
  • グルーミングの時間が長い。
  • 抜け毛が多い、束で抜けている。
  • 最近、毛玉をはく回数が増えた。

猫のアレルギーの原因にはどんなものがありますか?

猫のアレルギー性皮膚炎の原因としては、食事、花粉やハウスダストなどの環境中のアレルゲン、ノミなどがあげられます。ただ、現在は多くの飼い主さんがノミ予防をされているので、ノミによるアレルギーはそれほど多くはありません。猫の皮膚病は犬に比べると少ないですが、アレルギーで来院される猫さんは増えています。

診察で「アレルギー」というと、「ストレスでしょうか?」と聞かれることが多く、飼い方が悪いのか、自分のせいじゃないかと落ち込むオーナーさんもいらっしゃいます。でも、猫の場合、ストレスだけが原因のアレルギーはほとんどないので、そこは安心してくださいね。

ニャるほど! 深掘アドバイス

猫のアレルギー性皮膚炎は原因が分からないことも多いのですが、かゆみや炎症を抑える治療薬はあるので相談を。

猫のアレルギー性皮膚炎の3大原因は、食べ物・ノミ・ハウスダストなどの環境アレルゲン物質。ただ、実は、猫のアレルギーのしくみについては医学的にまだはっきり解明されていないので、原因が分からないケースがあるのも実際のところです。ただ、かゆみを抑え、皮膚の傷や炎症ダメージを修復する治療薬はあるので、「かゆい」と言えない猫のためにも、早めに医師の診断を受けてくださいね。

■軽症の皮膚アレルギー

耳がかゆくて、搔きすぎてできた脱毛

過剰なグルーミングでツルツルにハゲてしまったお腹

手や爪でこすったせいで目の上が赤くなってしまっている

■重症の皮膚アレルギー

(写真左)激しく掻きむしったため、顔の傷から血がにじんでいる
(写真中央)爪で首の後ろを引っ掻いてできた傷
(写真右)耳や首の後ろを強く掻き続けたことで、傷に大きなかさぶたがくっついている

病院で食物アレルギーの疑いがあるといわれ、アレルゲンフリーのフードをすすめられました。けれど、うちの子は好き嫌いが激しいので食べてくれるかどうか迷っています。

猫は自分の好きな味、好きなものしか食べたくない動物なので、いつも食べているフードを療養食に変えるのは至難の業。診察している猫の中には、「わたしが食べたいのはコレじゃない!」とハンストして断固拒否。1週間で1kg痩せた猫もいます。

まずは今まで食べているフードと似た味、匂い、好みの形や大きさの療養食でトライして、食べてくれたら良し、食べてくれなかったら、お薬を使った治療で様子を見てもいいかもしれませんね。

ニャるほど! 深掘アドバイス

一緒に、猫の治療ストレスを少なくしてあげましょう。

アレルギー性皮膚炎の治療は、投薬でかゆみや症状をコントロールしていくため、定期的な診察が必要です。けれど、病院に行くだけでも嫌がって暴れる子も多く、通院・診察のストレスで症状が悪化してしまうケースも少なくありません。
飼い主さんにとっても、かわいい自分の猫が嫌がることをするのはとてもつらいこと。だからこそ、病院でも診察室のソファなどにくつろげるスペースを作り、まずは猫が「病院嫌い」にならないような空間づくりを心がけています。
例えば、診察に来られた飼い主さんは、「早く先生に診せなきゃ」と、ケースの奧から出てこない猫を必死に出そうとしますが、全然慌てなくていいんです。猫の気持ちが落ち着いて、準備が整うまで一緒に待ちましょう。その間、飼い主さんと一緒に猫の性格やライフスタイルについて話をしていると、自然に猫の方から出てきたりするものです。ただでさえ「かゆい」つらさを抱えている猫にとって、病院に行くこと、お薬を飲むことは、さらなる大きなストレス。だからこそ、猫のペースを大切に、猫の自然な習性、ライフスタイルを変えないようにしてあげましょう。

『Vet‘s advice 猫の皮膚アレルギー前編』では、悩めるオーナーの質問に神田先生に答えていただきました。後編では『教えて!自宅でできるアレルギーの改善&予防』ということで、再び神田先生に一問一答でたくさんのアドバイスをいただきます。 ぜひ、お楽しみに!

取材にご協力いただいた病院

サーカス動物病院 神奈川県 藤沢市菖蒲沢911

サーカス動物病院では独自にサプリメントも開発販売中

Instagramで様々なペットケアについての知識を公開しているサーカス動物病院。
新たにペットのスキンケアについての情報発信サイト『どうぶつのスキンケア』もスタート!「そうだったのか!」と思える情報満載です。ぜひご覧ください。
(どうぶつのスキンケアは右のQRコードからどうぞ)

 
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